第一弾「新・文明の旅」現地リポート

第一弾「新・文明の旅」現地リポート

学生報告⑬

2012年3月8日(新・文明の旅9日目) ヴェリコ・タルノヴォにて

 

朝9:00に私たちがもらったものは、ブルガリアの男子学生から送られた、お花のプレゼントでした。

今日は「女性の日」といって、男性から女性にお花を贈る日です。最近では友達や親しい女性に贈るようになりました。女性同士で贈り合うこともあるそうです。まるで、バレンタインデーのようだと思いました。しかし、ブルガリアのバレンタインデーは恋人同士で行うものであり、やはり男性から女性に贈るものだそうです。何かお礼がしたいと思いましたが、ホワイトデーのように、プレゼントをもらったお返しをする日もありませんし、男性の日もありません。ブルガリアの学生は「今日を楽しく過ごしてくれることが、幸せだ」と言ってくれました。私たち女性にとって嬉しい一日を迎えることができました。

花の日.png

お花とともに市内外研修を行いました。始めに向かったところは、旧市街です。ブルガリアの学生が日本語で説明してくれました。そこは、ブルガリアという国がなかった時代から残っている古い町並みでした。建造物はその時代の彫刻技術が施されており、修復する際は国の許可が必要で、その後職人の手によって外観を壊さないように修復されます。現在も人が住んでいます。お年寄りだけでなく、若者が住んでいたことに感動しました。この旧市街は、若者にとっても大切な国の財産であるのだと感じたからです。

 

バスに乗って向かったのは、彫刻家や陶芸家など、様々な職人たちが集う通りです。観光客のお土産を買う通りでもあるため、バラの専門店や民芸品のお店もありました。今もなお必要とされる伝統工芸品の数々に、昔の日本を見ているように感じました。

タルノヴォ⑪.png

昼食は、ブルガリアの伝統工芸品の食器を使うレストランでした。お皿から調味料を入れる容器まで、すべてが伝統工芸品でした。現在のブルガリアでは、伝統工芸品を使うことはないと言います。そのため、ブルガリアの学生の中でも初めて使ったという学生がいました。日本と同じように、ブルガリアの伝統工芸品が失われてしまうのかと思うと、残念でなりません。

 

昼食の最中に、ある学生とブルガリアの先生の会話が聞こえてきました。その学生は日本語を勉強してホストになりたいと言っていました。ブルガリアの先生は、その学生に呆れた顔をして「話を聞きたくない」と言っていました。学生はなぜ反対するのか、わからないと言います。日本人の学生が、嫌われるからとか教師になった方がよいとか言って、あきらめさせようとしました。その学生は教師かホストになりたいというのです。正反対の職業で悩む学生に驚きながらも、楽しく食事をしました。学生には、ぜひホストの道を諦めてほしいと思いました。

 

昼食後は博物館や教会、ブルガリアで一番古くて女性のみの修道院を見学しました。その後、最後の夕食へ向かいました。ブルガリアの学生と日本人の学生が交互に座り、いろいろな話しをしました。みんな楽しそうな顔をして、最後だという寂しい気持ちは感じられませんでした。

 

3日しか一緒に過ごしていないのに、昔からの友達のようにブルタルノボ③.pngガリアの学生と接する自分に驚きました。辞書を持つ必要がないほど日本語が上手なことも、私たち日本人の学生にとって、すぐに馴染めた要因でしょう。しかし、それだけではなく、ブルガリアの学生が私たちに対して好意的であり、考え方が似ているからだと思います。ブルガリアの学生は、私たちがとても親切で優しくしてくれたから、本当に嬉しかったと言ってくれます。しかし、それは私たちの方も感じたことで、決して一方通行の想いではなかったのだと感じ、嬉しさや感謝など、言葉にできない気持ちでいっぱいになりました。

 

明日はとうとうお別れの日であり、ソフィアにいる仲間と再会する日でもあります。再び新・文明の旅メンバーが揃う嬉しさ、トルコに続いて二度目のお別れをする悲しさ。いろいろな感情を経験する一日になると思います。

まだ、一緒に過ごす時間は残っています。別れの時まで涙は流さないように、みんなが口にする「Facebookで会える」という言葉を胸に、笑顔で楽しく過ごそうと思います。タルノボ⑥.png

 

報告者:宇津木 紀子(経営学部経営学科)