第二弾「新・文明の旅」現地リポート
20150316 リガ二日目
ホテルの朝食はバラエティー豊かなものですが、日々同じようなメニューとなると飽きも出てきます。しかし、ダウガヴァ川のほとりにあるこのホテルでは、リガの美しい景色を眺め素敵な時間を過ごすことができます。もう旅は終盤に近づいています。ダウガヴァ川に反射する朝焼けに心奪われながら、「今日も一日頑張ろう」と意気込みます。
朝食後は8:45に集合。本日の予定のひとつめは、ラトビア外務省へご挨拶にいくことです。第二回「新・文明の旅」プログラムの準備が始まって以来、大使館や外務省の方々には様々な形でこのプログラムに携わっていただきました。今回は無事ラトビアを訪問できたこと、そして私たちの活動が充実したものになったことのお礼を伝えました。案内されセキュリティーカードを受け取り建物の中へ入りました。現在、この建物は外務省の建物として機能していますが、建設された19世紀の頃は銀行として使われていたそうです。その後、外務省や市役所として使用され、現在にいたっています。素敵なロビーホールを抜け、EU各国の要人たちが会談で利用する会議室を見学させて頂いた後、ペテリス・ヴァイヴァルス外務副次官との対談を行いました。対談中に放映されたVTRでは、首都リガだけでなく地方の観光地の紹介もありました。その中ではラトビアも日本のような美しい四季があり、自然の中での営みを大切にする習慣が見受けられました。今回の派遣での訪問地はリガのみでしたが、またいつか再訪して自然も含めてもっとラトビアを知りたいと感じました。
後半にはペテリス・ヴァイヴァルス外務副次官とメンバーとの間で活発な質疑応答の時間がありました。特に印象深かったお話は、ロシアとの関係についての話でした。ロシアがウクライナで行っていることは国際法上、違法行為であると明確に述べられ、これからどうなるのかと懸念されている様子でした。その他の質問にもヴァイルス副次官はとても丁寧に答えてくださり、有意義な時間となったことと思います。そして最後には、ロビーにて記念撮影を行い、外務省を後にしました。
その後、ラトビア大学を訪問しました。この日はちょうど、筑波大学の日本人学生がラトビア大学でプレゼンテーションを行っていました。日頃の学校生活でも派遣中でも、他大学の学生が行うプレゼンテーションを見られるのは貴重な機会です。各発表について現地の学生さんたちがどれくらい理解できているのか、会場の雰囲気を観察していたところ、日本語能力の差は大きいように感じました。明日私たちが行うプレゼンテーションでは、なるべく多くの現地学生に理解してもらえるよう、工夫する必要があると感じました。
続いては、現地の学生と様々なアクティビティーを行いました。「名前覚えゲーム」やグループに分かれての「共通点探しゲーム」、共同で「カルタづくり」や「豆つまみゲーム」も行い、楽しい時間を過ごすことができました。今日のアクティビティーでは、ポーランドやリトアニアよりも多くの時間を一緒に過ごすことができ、様々な会話をすることができました。
私見ではありますが、これまでの訪問大学に比べて日本語を話せる現地学生が多いように感じます。しかし話を聞くと、日本語学習者にとって卒業後の就職口は比較的少ないという話も聞きました。それでも彼らは熱心に日本語を学び、それぞれに楽しんでいるようです。一方、日本において英語学習者は数え切れないほど存在しますが、心から好きなものとして学べている人はどれほどいるのでしょうか。私も現在外国語学部において英語を学習している身ではありますが、それを心から好きとは言えない自分がいます。では何故私たちは言語を勉強しているのか、端的な答えは見出せません。この旅が始まる前から考えていたことではありますが、各国の日本語学習者たちとの交流で更に考える機会が得られたように思います。
現地にいられるのも残すところ数日です。残り数日で、私たちは何を得ることができるのか、そして何を考えることができるのだろうか。(矢萩陸・寺島麻衣)