「新・文明の旅+」渡航レポート

「新・文明の旅+」渡航レポート

交流プログラム 4日目(9/4)

2019年9月4日 午前


 ラトビア国立歴史博物館へ向かう途中、公園に野良猫の家が設置されているのを発見しました。ガイドの話によると、野良猫はネズミを捕ってくれる為、市がメディカルケアを行ったり餌を与えたりして飼っているそうです。ラトビア国立歴史博物館に到着し、中に入るとすぐにステンドグラスの窓がありました。日光を通すステンドグラスにはリガ旧市街の絵が施されており、色鮮やかでとても美しかったです。この博物館は、展示物がそれぞれの部屋に時代ごとに分かれており、ラトビアの時代を順々に学ぶことができます。例えば、狩猟の武器や可愛らしい民族衣装、1960年代当時の家の様子などが、幅広く展示されていました。他にもバルティックアンバーには250種類もの色があると知り、また新たに琥珀の魅力を感じました。

 

 見学の終盤に、スターリンと最初のソ連統治時代の展示室にはいると、ガイドの話し方の様子が一変しました。ガイドはスターリンを「大量殺戮者」と呼び、 どうやらガイドの祖父もスターリンによって苦しい経験をしていたようで、本当は部屋の説明をしたくないと言っていました。戦争や独裁政治によって苦しい思いをしてきた人たちは世界中どこにでもおり、数え切れぬ先人の苦しみや悲しみがあったからこそ、私たちは平和な現在を過ごせているのだと改めて痛感しました。更なる世界平和を目指す為にも、私たちは後世に戦争や独裁政治の恐ろしさ、惨さの実態を語り継ぐ必要があると思いました。

 

 今度は、ラトビアのデザインを学ぶことができる装飾美術館へ行きました。ここでは20世紀初頭に「ROMANS SUTA」という陶器で有名な会社の展示物やエレクトリックの会社の展示物までカバーしていました。陶器のデザイン原画も展示されていましたが、原画が残されていることはまず少ないため、とても貴重な展示物であるとのことでした。見たことのない斬新なデザインの椅子やビニールで作られたデザインの洋服など、素晴らしいアイデアによって作られたデザイン性のある作品に触れることができ、とても感化されました。

 

 なお、ラトビアのアートは、プロパガンダに使われている時代がとても長く、アートがアートとして扱われるようになったのはごく最近であるそうです。アートは、アートとして鑑賞するからこそ、自身の考えや感覚に刺激を与えてくれるのだと思い、美術館や博物館の価値を感じた一日でした。


(経営学部2年 井上楓袈)

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2019年9月4日 午後


 昼食後、次にリガの歴史と海運の博物館を巡りました。18世紀ごろのリガの芸術品が展示されており、鉄砲や船の模型、当時の貴族の服装等がありました。この博物館は、展示品の横にロシア、ドイツ、イギリスの説明書が置いてあり、様々な国からの来館者がリガの歴史を理解できるのだと思いました。15時に現地のラトビア大学の学生と合流し、バスで次の野外民俗博物館に移動しました。ガイドの方の説明を、現地学生の方が日本語で訳して説明してくれました。この博物館には、18世紀の家が展示されており、周りに井戸やサウナもありました。家は、藁葺き屋根の木造建築になっており、日本との共通点がありました。とても離れている国同士なのに、この共通点があることを不思議に思いました。

 

 18時頃、バスでホテルまで移動し、お土産を買いに行く人、ホテルで話している人、薬局でオススメの化粧品を教えてもらいに行った人等、各自で自由に過ごしました。私は、現地の大学生と一緒にレストランに行き、食事をしました。注文した料理が運ばれるまで、お互いの名前の由来や、漢字の紹介などをし合いました。日記にサインをもらい、各自メモ帳に自分の名前をロシア語やラトビア語で書いてもらいました。昨日よりたくさん話をして、ラトビアの学校の仕組みを教えてもらったり、日本の料理や文化についてどのように感じているのか伝えてくれました。明日、リガを離れてしまうのが少し悲しいです。

 

(人間学部 2年 井原美咲)

IMGP0033.JPG4日工芸とデザインの博物館にて、学芸員と.JPG