「新・文明の旅プラス」現地リポート
20250302 ソウル市内視察【4日目】
「新・文明の旅+(プラス)」韓国交流プログラム 3/2(日) 渡航4日目
いよいよソウル市内のフィールドワークがスタートです。昨日の独立記念日に続き、各地で集会が行われておりシュプレヒコール等が聞こえてきましたが、トラブルなく目的地にたどり着きました。まずは、朝一番で国立民俗博物館に向かいます。入場料が無料とは思えないほど、豊富なジャンルで最先端の展示手法を楽しむことができます。学生たちは各自のリサーチクエスチョン(歴史、文化、言語、プロモーションなど)に基づき、日本との差異、そして共通点を見つけることができたでしょうか。以下、学生の振り返りのまとめです。
【歴史・文化の違いと共通点】
・韓国の壺や服は、日本よりも鮮やかな色使いが特徴的。
・昔の食文化は豆類中心で、米から作った飲み物があった。
・貨幣やそろばんの存在など、日本と似た文化も見られた。
・死者供養の風習には、日本の「はにわ」と共通する要素があり、死後の世界を華やかに表現することで恐怖を和らげる文化がある。
【プロモーションの違い】
・韓国は映像やデジタル技術を駆使し、歴史をドラマティックに演出。
・没入感のあるプロジェクションマッピングや映像展示が多い。
・日本は実物展示を重視し、静かに歴史を感じさせる工夫が多い。
【食文化の発見】
・どの時代の展示にもキムチが登場し、韓国の食文化の中心であることが分かった。
・食器の形やデザインにもこだわりがあり、伝統が細部まで息づいている。
【言語と交流の気づき】
・ソウルは釜山よりも日本語の表記が多く、日本語を話せる人も多い。
・J-POPやアニメの影響で日本語を学ぶ人が増えている。
・韓国の英語教育は日本と似ており、読めるが話すのが苦手な人が多い点も共通していた。
次に朝鮮王朝の王宮であった京福宮(キョンボックン)に向かいます。海外からの観光客も多く、民族衣装を着た外国人があちこちで写真撮影をしています。渡航経験のあるナナカさん、カノンさんたちが建物の特徴を教えてくれました。その後、2つのグループに分かれて、北村韓屋村、明洞、広蔵市場、聖水、昌徳宮、漢江へとフィールドワークに出かけていきました。嬉しいことに、今回のフィールドワークでは、以前本学に留学していたリムさんが快く案内を引き受け、学生たちをサポートしてくれました。それぞれの場所で、日本との違いや共通点を発見し、現地の人々との交流を通じて多くの学びを得ることができました。
【交通・移動の体験】
•バスの運転が日本より荒く、安全確認なしですぐ発車することに驚いた。
•町中に韓国の国旗が多く掲げられており、愛国心の強さを感じた。
•バス停の場所が分かりにくかったが、韓国の方が英語で親切に道案内をしてくれた。
•日本と異なり、優先席は一般の人はほとんど座らない文化があった。
【買い物・市場での発見】
•レジに店員が常駐していない店舗が多く、日本との違いを実感。
•服の「ワンプラスワン(1つ買うと1つ無料)」のプロモーションを初めて知り、新鮮だった。
•広蔵市場では、価格交渉が当たり前の文化があり、韓国ならではの買い物のスタイルを体験。
•ぼったくり対策として、リムさんが市場での価格交渉をサポートしてくれた。
【食文化の違い】
•明洞では釜山とは異なるスタイルのサムギョプサルを体験。
•どの世代でもキムチは必須の食べ物で、日本よりも味の濃いものを好む傾向があった。
•高齢者向けの食事では、野菜を多く摂取したり、柔らかいものを選ぶ点は日本と共通。
【広告・プロモーションの違い】
•ソウルでは、駅や街中にアイドル個人の誕生日広告が多く、ファン主導の文化が強いと感じた。
•企業広告でもK-POPを活用し、日本よりもファン参加型のプロモーションが目立った。
【献血文化の違い】
•ソウル駅や明洞にも献血ルームの看板はあったが、あまり目立たず関心が低いように感じた。
•日本ではポイント優待制度があるが、韓国では商品券が提供される仕組みになっていた。
•日本と同様に献血バスがあるものの、今回は見かけることができなかった。
【北村韓屋村での発見】
•MBTI(性格診断)の「おみくじ」があり、韓国でのMBTI人気の高さを実感。
•リムさんはINFJタイプで、韓国では少数派とのこと。
•韓国の若者は日本と韓国の関係についてポジティブなイメージを持っている人が多いが、歴史に近い世代の年配層では異なる印象を持つ人もいるとのこと。
【現地の人々との交流】
•タクシー運転手が非常に親切で、英語で丁寧にコミュニケーションを取ってくれた。
•独立記念日期間であるにもかかわらず、日本人へのフレンドリーな対応に感動。
•韓国の人々はせっかちな印象もあるが、道案内や情報提供を積極的にしてくれ、とても親切だった。
学生たちは移動や買い物、食文化、現地の人々との交流を通じて、日本との違いや共通点を多く発見した様子です。リムさんのおかげで、韓国の文化をより深く理解し、貴重な体験をすることができました。こうして、文京学院大学で築いたつながりが、国を超えて広がり続けていることを実感するとともに、今回の経験が、学生たちの今後の国際交流や学びにつながる充実した1日となりました。