大学院

教育の考え方と特徴

教育課程の編成
本研究科は修士課程で保健医療分野の専門職、特に理学療法士、作業療法士、臨床検査技師に求められる高度な実践能力の開発を中心にして教育課程を構成しています。将来研究者への進路を希望する学生に対しては、科学的根拠に基づいて行う研究の手ほどき、そして必要な知識と高度な技術を教授することを念頭におきます。
健康推進・リハビリテーション分野と検査情報解析分野の2つに分かれます。これまで必要とされながら長い間実績の薄かった両分野にエピデンスを蓄積し、さらに両分野の連携を図ることを重視しています。対象者(患者)のある職種であることから、早期に社会還元できる応用科学として学問的に確立することを目的としています。
各分野で基礎的科目と臨床的科目をバランスよく配当しています。共通基礎科目分野から医療英語特論では、これからの国際的な学術交流に必要となる専門的な英語の知識を習得していきます。医療情報学特論では、適切な統計手法の選択とさらなる高度な統計処理を行える能力を養います。共通コア科目分野のIチーム医療学・医療倫理学特論およびⅡ災害医療学・保健医療学特論では時代に則した医療人としての能力を修得します。学生は、まず共通基礎科目分野4単位を必修として学び、共通コア科目分野から必修科目4単位、主とする分野の選択必修・選択科目から14単位(講義科目8単位、演習・実験科目4単位)を選び履修します。選択可能な他分野の選択必修・選択科目から最大4単位までを履修できます。そして2年間の特別研究8単位を含めて合計32単位以上を取得しなければなりません。
健康推進・リハビリテーション分野における教育の考え方と特徴
健康推進・リハビリテーション分野では、修了者が次世代のリーダーとして科学的根拠に基づく応用科学を実学として社会還元することを目指しています。そこで学生が最新の治療理論、治療技術を修得できるように科目を設定しています。理論構築に必要とされる科学的思考を発展させるために機能形態・薬物治療学、生体機能解析制御学、公衆衛生学・疫学を配置しています。これらの科目修得を基盤としてさらに臨床的ニーズに多角的に対応するために、バイオメカニクス学、スポーツ理学療法学、発達障害作業療法学、老年期障害作業療法学、作業科学、身体運動システム学を配置しています。研究手法に関しては、各科目のカリキュラムに加え検査情報解析分野の科目を選択することで科学的エピデンス追及への足掛かりとします。
課外授業として、本学生涯学習センタで実施している大学連携講座「理学療法ブラッシュアップ講座」の科目を2年間で最大5回まで、臨床的ニーズに応じた内容を選択して受講することができます。また、専門作業療法士制度に係わる日本作業療法士協会と連携しています。本研究科が開講する特定の科目の単位をとって修士の学位を取得された方は、専門作業療法⼠資格取得のために指定された特定の研修を受講したものとみなされます。
検査情報解析分野における教育の考え方と特徴
検査情報解析分野では、修了者が次世代のリーダーとして科学的根拠に基づく応用科学を実学として社会還元することを目指しています。そこで学生が最新の検査理論、検査技術を還元できるように各科目を設定しています。
分野は3つの群からなり、一群・基礎系は深く生体機能を研究します。病因・病態解明や診断に寄与する病理診断学的検査法の理論や技術を学ぶ病因病態情報解析学、生体の働きを臨床生理学的見地から理論や技術を学ぶ生理画像解析学を配置しています。
二群・臨床系は臨床検査の果たす臨床的意義を追求します。種々疾患を体液中の化学成分の解析によって分析していく医学的技法を学ぶ化学検査情報解析学、臨床検査を多角的に捉え、血液疾患、腫瘍疾患を中心とした病因・病態を解明する手法を学ぶ血液検査情報解析学、生体分子機能情報解析学を配置しています。
三群・医療管理系は実際の臨床現場で必須な学問を研究します。医療機関で問題となっている薬剤耐性や感染症に対する対策を学ぶ感染制御検査情報解析学、近年臨床現場で要求される検査データの精度管理を中心に、検査データに及ぼす種々の因子について臨床検査の立場から学ぶ臨床検査管理情報解析学を配置しています。