【福祉医療マネジメント研究科】第3回公開セミナー「グローバルヘルスを学ぼう!」が開催されました
8月3日に、「グローバルヘルスを学ぼう!」というタイトルで、第3回公開セミナーが本郷キャンパスで開催されました。
講師は、本学大学院福祉医療マネジメント研究科教授の藤谷克己先生と、本学同研究科客員教授の堀井聡子先生です。
🔳グローバルヘルスの重要性と解決課題
まず、堀井先生からグローバルヘルスに関する説明がありました。グローバルヘルスは、植民地医療から始まり、インターナショナルヘルス、グローバルヘルス、そしてプラネタリーヘルスへと発展してきました。
健康保健問題は国境を超えた課題であり、世界中の人々が協力して改善する必要があります。現在、世界的に人口の高齢化が進行しており、発展途上国でも死因の上位を生活習慣病が占めています。さらに、母子保健などの地域間格差も課題となっています。
🔳ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の必要性と日本の役割
このような状況を踏まえ、すべての人が適切な保健医療サービスを負担可能な費用で受けられる医療保健制度の構築が求められており、これをユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)と呼びます。
日本は、世界に先駆けて国民皆保険を実現しており、この分野でリーダーシップを発揮することが期待されています。日本政府はグローバルヘルス戦略を発表し、UHC達成に向けて、政府開発援助(ODA)の活用や民間企業などの多様な関係者との連携強化を進めています。
🔳ベトナムでの看護師教育プロジェクトとデジタルヘルスの可能性
ODAの一環としての技術協力に関しては、堀井先生がベトナムで看護師の教育プロジェクトに関わり、看護師の国家資格がないベトナムでその質の向上を目指した事例が紹介されました。また、民間企業との連携事例として、最新のデジタル技術をヘルスケア分野に応用する「デジタルヘルス」の可能性についても述べられました。
🔳「グローバルヘルス」の授業計画とカナダの医療制度の例
続いて、藤谷先生からは、研究科の授業科目である「グローバルヘルス」の授業計画についての説明がありました。グローバルヘルスにおいては、他国に自国の健康観を押し付けることは避けるべきであり、まずその国の慣習と文化を理解することが重要です。具体例として、カナダの医療制度が紹介されました。カナダでは医療費が公費で賄われ、患者の負担はありません。また、地域ケアセンターでは看護師がケース・コーディネーターの役割を担っており、こうした点が日本との比較の中で解説されました。
🔳大学院説明会と個別相談
セミナーの後には大学院説明会が行われ、その後、個別相談の時間も設けられ、参加者同士の意見交換が行われました。全体の参加者は12名で、大学院説明会と個別相談にはそれぞれ2名が参加し、有意義な時間となりました。