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【福祉医療マネジメント研究科】医療ソーシャルワーカー(MSW)向け 出張セミナーを開催!

2024.09.17

近年、医療ソーシャルワーカー(MSW)に対する評価や診療報酬制度における複数配置を背景として、医療現場におけるMSWの役割が重要性を増しています。特に、マネジメントスキルの向上や人材育成が課題となるなか、文京学院大学専門職大学院福祉医療マネジメント研究科と戸田中央メディカルケアグループ医療福祉部は、2024年度「福祉医療マネジメントセミナー」を共催しました。

セミナーは、2024年8月24日(土)13:00~17:00、新座志木中央総合病院ワイズプリミエ2Fにて開催され、戸田中央メディカルケアグループ、IMSグループ、上尾中央医科グループから計29名のMSWが参加しました。

 

🔳PART1 講演:「医療ソーシャルワーカーが身につけるべきマネジメント」

講師:亀川 雅人 氏(福祉医療マネジメント研究科 研究科委員長)

講演では、MSWが組織において持つべきマネジメントスキルと、その背景となる専門職の役割について述べられました。医療や介護などの非営利分野では、社会的なニーズが仕事の価値を決定し、MSWは市場経済ではなく社会評価に依存する役割を担っています。そのため、組織に依存しない自由な雇用形態を持つ専門職として、社会に対する使命感が重要であり、これが職業意識に強く影響します。

また、限られた資源の中で、効率的な多職種連携を構築し、患者のニーズを高い水準で満たすためには、組織の効率的な経営と管理、そして専門職が組織の一員として結束するための継続的な雇用が求められます。さらに、組織内の共通言語による連携に加え、組織外のネットワークを活用したオープンな関係性の構築が、MSWの役割を最大限に発揮するためには不可欠だと強調されました。

 

🔳PART2 ワークショップ:「スーパービジョンの理論と実際」

講師:篠原 純史 氏(福祉医療マネジメント研究科 准教授)

ワークショップでは、MSWが直面する臨床現場でのジレンに対して、どのように対応するかが議論されました。患者と家族の異なる希望や他職種とのアセスメントの違い、組織運営とソーシャルワーク実践の方針の違いなど、日常的に直面する困難に対して、スーパービジョンの重要性が説明されました。

ジレンマに直面した際、医療ソーシャルワーカーは倫理綱領や倫理原則を拠り所としますが、対応は容易ではありません。しかし、その経験が成長の第一歩となります。そこで重要なのが、ソーシャルワーク専門職としての実践力を育む機会とその責任である「スーパービジョン」です。

前半では、スーパービジョンの機能や形態について、具体的な事例をもとに説明し、参加者は自らの実践を振り返る機会を得ました。後半では、組織内でスーパービジョンを「体制」として構築する重要性と、その評価方法について議論が行われ、参加者は今後のスーパービジョンの実践に向けた課題を認識しました。

 

🔳まとめ

本セミナーでは、医療ソーシャルワーカーのマネジメントスキル向上と、スーパービジョンの実践的な活用方法について、具体的かつ実践的な知見が共有されました。参加者は、現場での実践を振り返りながら、今後の業務に活かすための重要なヒントを得ることができました。

本研究科では、今後もこうした出張セミナーを通じて、福祉施設や医療機関におけるマネジメントやスキルアップ、学び直しの重要性を広く認識してもらい、多くの専門職の方々が研究科での学びに挑戦してほしいと願っています。

 

 

🔳参加者の声 

「今まで自分の専門職としてのスキルに焦点を当ててきたが、経営学の視点を学び、様々なヒントを頂戴した」(20代女性・医療ソーシャルワーカー)

「経営学の視点から、自分の仕事を客観的に見ることができて、自分自身を再評価できた」(40代女性・社会福祉士)

「学生時代からマネジメントを学ぶ機会が無かったので、管理職となった今これを聞くことができてとてもためになった」(40代男性・社会福祉士)