大学院

【福祉医療マネジメント研究科】オンライン公開授業を開催しました ~遠隔地の方へ開く学びの扉!

2025.01.25

2025年1月16日(木)、Zoomを活用したオンライン公開授業が開催され、多くの方にご関心を寄せていただき、30名の皆さまにお申込みいただきました。この取り組みは、遠隔地の方にも本学の研究科を知っていただくことを目的に行われ、首都圏だけでなく北海道、青森、山形、静岡、愛知、大阪、京都、滋賀、広島、福岡など、全国各地から福祉・医療専門職の方々がご参加くださいました。

■持続可能な地域医療の未来像

テーマ:「2040年に向けた新たな地域医療構想と病院経営」

講師:髙橋淑郎先生

髙橋先生は、日本の人口が高齢者数のピークを迎え、同時に生産年齢人口が急減する「2040年問題」を取り上げました。その中で、新たな地域医療構想が国によるガイドラインとして示され、医療においては「治す医療」と「治し支える医療」の機能が病院ごとに明確に4分類されました。それぞれが介護や福祉とこれまで以上に連携することが求められる一方、日本全体で人材が不足し奪い合いになる状況の中で、医療や介護がどこまで耐えられるかが課題として指摘されました。持続可能な医療制度にするためには、次世代に引き継ぐための病院活動の調和的発展を目指す必要があり、8病院でのケーススタディを交えながら現状と課題について論じられました。

高齢化が進む中で、医療と介護を別々に分けるのではなく、地域完結型の医療・介護体制を構築することが必要と論じられました。医療・介護の包括的・継続的な協働体制とともに、介護施設や病院の在宅復帰機能の強化が不可欠であり、その際には地域の受け皿づくりが重要であるとのお話がありました。

 

■チーム力を高める組織活性化の鍵

テーマ:「組織の活性化について(組織開発入門)」

講師:田嶋英行先生

田嶋先生は、福祉・医療関連サービス提供組織の経営における3要素である「ヒト」「モノ」「カネ」のうち、今回は特に「ヒト」(職場=チーム)に焦点を当てて解説されました。福祉・医療のサービス提供組織は、専門性の高い職種が集まるため、多職種連携が難しいという課題があり、それには専門職の価値観だけでなく、個人の価値観も影響しているのではないかと指摘されました。この課題を克服するために、人の多様な側面に注目し、職場外研修(OFF-JT)を活用して体験重視型の研修を行い、コミュニケーションを促進し互いを理解し合うことの重要性が強調されました。具体例として、大学ゼミの事例やゲームを活用したワークが紹介され、研修と職場の相似性の視点から、研修で培った力を職場で活用する可能性について示されました。

 

■新たな試みと今後の展望

お二人の先生による熱意あふれる授業が展開され、参加者の皆さまも熱心に聴講されました。また、授業終了後に行われた大学院説明会にも、多くの方々にご参加いただきました。

回のオンライン公開授業は新たな試みとなりましたが、今後も首都圏、遠隔地問わず、より多くの方が参加しやすい方法で情報発信を続けてまいりたいと考えております。

福祉医療マネジメント研究科 鳥羽美香