【福祉医療マネジメント研究科】社会福祉法人うらら様での職員研修を実施
2025年1月17日(金)、社会福祉法人うらら様において、本学大学院福祉医療マネジメント研究科の鳥羽美香教授が職員研修を行いました。
今年度、うらら様と本学は協働で「チーム・リーダーのためのマネジメントスクール」を開講しており、基礎編と実践編を実施中です。今回の研修は、相談職・看護師・管理栄養士などのリーダー層を対象とした基礎編のプログラムとして開催されました。
今回の研修テーマは「チームマネジメント力をつける」です。本研修の目的は、チームリーダーが組織のマネジメント(運営)を行う際に直面する課題に対応するための資質や視点を学び、実践的なマネジメントノウハウを身に着けることです。
今回は、チームマネジメントの重要性を理解してもらうために、グループワークを取り入れました。テーマは「地域に開かれた施設づくり」です。
現在、社会福祉法人による地域での社会貢献活動は、必要不可欠なものとなっています。地域共生社会の形成が求められている今、入所施設であっても地域とのつながりを意識し、積極的に関わっていくことが重要です。
研修のステップ
■ステップ1:地域分析と理念の確認
社会福祉法人うらら様の理念“「利用される方」と「家族」「近隣」「地域」の方々、およびうららの職員を含めたすべての関係者によろこんでいただき、信頼される施設として成長し続ける”を基に、現状の地域分析を行いました。
■ステップ2:チームリーダーに必要なスキルの確認
チームリーダーに求められるスキルとして、以下の項目が挙げられました。
①人間理解・把握力②事業計画立案・実行能力③課題発見能力④財務管理⑤人材育成・指導⑥組織・管理コンプライアンス⑦リスクマネジメント⑧交渉力⑨地域連携力⑩営業力⑪AI・ロボット活用の力
■ステップ3:具体的な事業計画の策定
グループごとに「地域に開かれた施設づくり」を実現するための事業計画を立案しました。計画には以下の要素を含めました。
・事業計画の名称(令和7年度実施案)
・目的の明確化
・具体的な内容・手順(月ごとの目標と年度末達成目標)
・実施方法(いつ・どこで・誰が・どの資源を使って行うか)
・他部署との連携・協働(例:特別養護老人ホームとデイサービスの連携計画案など)
・計画の実現に向けたチームマネジメント課題の検討
■ステップ4:具体的な計画提案
研修では、具体的な事業計画として「施設見学ツアー~コーヒー付き・体験付き~」が提案されました。
【目的】
地域住民に施設内を知ってもらい、将来の利用につなげる。
【内容】おいしいコーヒー(+お菓子)を用意し、施設見学ツアーの内容を説明。
部署ごとに設備やサービスを紹介。
リフトや入浴などの福祉用具体験を提供。
【担当者】
ツアーガイドは各部署のリーダーが担当。
コーヒー・お菓子の準備は管理栄養士が担当。
SNSでの発信は若手職員が担当。
(交替制)
【目標】
月1回開催。
参加人数は5~10人(予約制、当日参加可)。
SNSを活用して参加者を募る。
グループごとに具体的な提案がなされ、活発な議論の中で多くのアイデアが生まれました。参加者同士が意見を交わしながら、楽しみつつも真剣に計画をまとめる姿が印象的でした。
チームマネジメントを行っていくためには、縦割りの組織構造を超え、職場・職種横断的な協力体制を構築することが不可欠です。異なる職種が連携することで、組織の活性化につながることが期待されます。
今後は、今回検討した事業計画の実現に向けて、さらに具体的なアクションを進めていく予定です。本学では、引き続き社会福祉法人うらら様と協力し、継続的な研修を実施していきます。
福祉医療マネジメント研究科 鳥羽美香