海外フィールドワーク2014
海外短期フィールドワーク2014年(2013年度)リアルタイム報告11
【海外短期フィールドワーク2014年(2013年度)リアルタイム報告11】
知覚:私たちのとらえている世界。
2014年3月10日
キャサリンのESLの授業では、まず、ウォーム・アップとして5文字で構成される単語を当てるゲームをやりました。キャサリンの頭にある5文字からなる単語を当てるのですが、皆さんが任意に5文字から成る単語を言い、その単語の文字、文字の場所で一致するところがあると、キャサリンが印を付けます。それを元に単語を当てる、というゲームです。簡単そうですが、皆さん、頭をひねります。。キャサリン曰く、「みんな、間違ってもいいからどんどん単語を言って!」「積極的に!」。3週目ともなると、聞き取れる部分も多くなる一方、分からない部分もはっきりしてきます。分からない部分が分かるようになるわけです。これは素晴らしい進歩ですが、同時にフラストレーションも感じますね。
その後、午後のマイクの最後の授業、「知覚」に関する授業の予習が始まります。やはり単語は難しいですね。でも、英語ではこういう表現をするんだ、という発見はあります。
ずっと緊張して聞いていなければならなかった前半に比べると、皆さんの表情も少しリラックスしてきた気がします。
本学教員から見れば、格段の進歩です。
うーん。ここは分からない。そんな表情も進歩の証です。
さあ、最後の心理学の授業。「知覚」では、私たちが外界を捉えるとき、自身の主観的世界を構築していることを学びます。そこにある法則性と同時に、個々がとらえる世界が、同じ場にあっても異なることも学びます。五感を鋭敏に働かせて外界をとらえることの重要性とともに、私たちが陥りがちな傾向も学びます。一人一人の主観的世界は異なる、理解したいように理解する、とらえたいようにとらえる。そしてそのことに気づかない。臨床心理学にも繋がるさまざまな概念を、こうした実験系心理学でも学ぶことができます。そしてこの過程が強い自動性を持つ、ということも学びます。写真の「変化盲」change blindnessという現象は、その人がそこに存在する、という主観的世界が強い一貫性を持つため、人が入れ替わったという変化に気づくことができない、という現象です。変化に気づけないのは問題ではなく、私たちが、外界に対してしっかりと恒常性を保つことができている証拠でもあるのですね。でも、こうした機能は時にネガティブな方向に働くこともあるでしょう。その両方の面を学ぶことができるのも、この分野のすごいところですね。
ただ、錯視図形は、その体験だけでも楽しいですね。
最後に、マイクと記念撮影。マイク、来年もよろしくお願いします!