人間学部

ゼミ紹介

心理学科では、心理学を中心に芸術療法・深層心理学、家族心理学、社会心理学など12ゼミナールが開講されています。

芸術療法・深層心理学

指導教員 横山剛

臨床心理学の実践と研究を目指すうえで大切と思われる、心についての捉え方と、臨床心理学領域の知識・体験を深めていきます。

実際には、臨床心理学や精神医学領域の本や論文を読み、ディスカッション、レポート提出を行います。
それとともに、箱庭制作や描画などを実習的に行い、体験を語り合い、レポートにし、芸術療法の一端を学びます。
そして、心の中から湧いてくるイメージの自律性を含む無意識の現象や神話産生機能について知識とともに体験していきます。

家族心理学

指導教員 永久ひさ子

親子関係、恋愛や結婚、両親の夫婦関係と子どもの発達、親子関係と友人関係など、個人の発達と家族について理解できるようになることを目的にしています。
家族関係は、家族メンバーという歯車で構成されているシステムとみることができ、家族自体も社会というシステムの一部と考えることができます。
一つの歯車の回り方が他の歯車やシステム全体のあり方に影響を与えるように、個人の発達は家族や社会状況と密接に関連しています。

ゼミではこの家族システムの考え方を基に、個人の発達と家族の関係についての理解を深めていきます。

社会心理学

指導教員 村井潤一郎

社会心理学およびその関連領域の研究を遂行するためのゼミです。テキストの輪読と討論、コンピュータを用いた演習、などを通して、心理学研究法や、統計処理についての理解を深め、卒業論文に備えます。
あわせて、各自の興味ある研究テーマを設定し、ゼミ全員でのディスカッションを通して、各自の卒業研究をより精緻なものにしていきます。

認知心理学

指導教員 小林剛史

認知・神経・行動・病理・意識などに関係する心理学研究について学び、自然科学としての心理学的なものの考え方を身につけていきます。

記憶や感情といった、人間のアイデンティティーを支える根源的な機能について、感覚や認知といったはたらきからせまっていきます。
そのアプローチ方法として、最近では「嗅覚」を介した「こころ」のはたらきの検討に力を注いでいますが、ゼミ生の研究領域は多種多様です。
意識しないのに記憶に残る現象や、共感覚現象、好き嫌いが知らず知らずのうちに構築される過程、何かに慣れていくとはどのような現象か、など、日常的な疑問を、学問的に探求する楽しさを味わいましょう。

生理心理学

指導教員 長野祐一郎

こころと体の関係について、人の生体反応の計測等を通じて学んでいきます。
自ら生体測定の装置を作成したり、ゲーム時の心理状態と生体状態を評価・測定したりします。企業との共同研究なども積極的に進めています。

認知発達心理学

指導教員 上村佳世子

認識(認知)の形成をテーマとして、その発達の様相やメカニズムを研究します。

人間は発達初期から、具体的な生活場面に身を置き、他者とのコミュニケーションをしながら、さまざまな認識の枠組や行動スタイルを獲得し、環境に適応していきます。
その積み重ねがその人の個性であり、社会文化的特性となるものと考えます。認知発達、ことばと認識、親子間相互行為、道具と行為、文化比較などの研究やその方法論について学んでいきます。

精神保健学

指導教員 島田栄子

心の健康は、脆弱性のみならず、様々なストレス(つまり人間関係や睡眠や食事や活動などの生活のリズムや体の健康)と大いに関係があります。誰でも心の疾患にはかかりうるものであるということを知りましょう。代表的な心の疾患をさらに幅広く、一般人としても知って役に立つ治療やリハビリテーションや疾患の予防などについて学びます。また、治療薬がどのように心の疾患に効くのかを学びます。社会の一員として偏見をなくし、よき理解者となることを期待します。

本ゼミでは、文献を読み、討論し、自身のストレス状態、ストレス対処能力などを、質問紙等で評価し、自身の一部を知る機会があります。精神保健を学ぶことによって自身の心を知り、他者の心を知り、社会を理解しましょう。その後、何を知りたいか、何を疑問に持っているかを考え、討論しながら研究計画をたてます。

討論や発表を通してSST(Social Skills Training)の基礎を学びます。これは人間関係をスムーズに行うために有用なコミュニケーション練習法ですが、学習理論に基づいた、認知行動療法です。社会生活をするうえで重要な表情、動作、声、話す内容などを工夫することを集団で考え、実践します。これらは、皆さんの今後の社会生活に役に立ち、ストレス対処法ともなります。

認知行動療法・カウンセリング

指導教員 加曽利岳美

認知行動療法やクライエント中心療法といったカウンセリングの理論や技法について学びます。

クライエント役、セラピスト(カウンセラー)役になって実際にカウンセリングを体験したり、カウンセリングに関するDVDを視聴しディスカッションすることなどを通して、カウンセリングについての理解を深めます。さらに、医療現場での臨床心理士やスクールカウンセラーの活動に関する国内外の論文を研究し、うつ病や不安障害などさまざまな心の症状や、不登校などの心の問題に対して、実際にどのような心理的援助が行われているのかについて学びます。

社会・環境心理学

指導教員 文野洋

社会心理学や環境心理学の研究論文を読むことを通じて、人間の行動を他者との関わりやモノや環境との関わりから考える視点とその研究方法について学んでいきます。

はじめに、社会心理学や環境心理学のテキストの講読を通じて、専門的な研究知見を習得します。次に、自分自身の関心にあった文献を各自が発表し、質疑応答を通じてその研究についての理解を深めます。文献の研究を進めるなかで、人間の意識や行動に対する自分自身の関心を心理学の研究テーマへとしぼり込み、研究計画を立てていきます。発表とディスカッションを通じて、互いの研究計画案に磨きをかけていきます。

環境・デザイン心理学

指導教員 畑倫子

環境やモノが人の行動と精神的健康に与える影響について研究します。

日常生活におけるちょっとした疑問や研究のアイディアを大事にしてほしいと思います。
そして、環境心理学や関連領域の文献を読んだり、発表したり、意見交換をしたりしながら、自分が抱いた疑問やアイディアを実証研究としてまとめていきます。

高齢者心理学

指導教員 山崎幸子

超高齢社会における高齢者についての正しい知識を身につけるとともに、高齢者の心理と課題について学んでいくゼミです。

高齢者心理学、老年臨床心理学に関するテキストや文献の輪読と討論を通して、専門的な知見を習得し、個々の関心ある研究テーマを掘り下げていきます。

心理アセスメント・表現療法

指導教員 東知幸

心理アセスメントや心理相談は公認心理師の主要業務である。心理アセスメントの方法のひとつとして心理テストがあるが、本ゼミでは質問紙法による心理テストを中心に学ぶ。また、心理相談の一技法として表現療法があるが、本ゼミでは、特にコラージュ療法について学んでいく。