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2013年 学校法人文京学園 理事長・学園長 年始のご挨拶

大学2013.01.01

 2013年の年頭にあたり、本年の平和、安全と皆様のご健康とご活躍を心から祈念申し上げます。

 

 昨年は夏にロンドンオリンピックが開催され、多くの国の人が集まり、我が国の選手も大活躍でした。秋にはノーベル医学賞が京都大学の山中伸弥教授に授与され、日本人として誇らしく思われた方が多かったことでしょう。

 一方、ユーロ圏の財政危機に加えて、尖閣諸島、竹島問題から隣国の中国、韓国との関係が悪化し、日本製品の排除運動が激化して日本経済は大打撃を受けました。

 また、新しいリーダーを選ぶ年でもあり、オバマ大統領の再選、習近平主席の登場、韓国では、初の女性大統領となる朴槿恵氏の登場、そして日本では、民主党から自民党へ政権交代があり、特に日本の場合は、安定した政治が本年の大きな課題になると思われます。そして、何よりも震災復興に総力をあげて取組み、日本が本来持つ力を存分に発揮する年にしなくてはなりません。

 

 私は、2013年は、真の意味での「自立と共生」を個人も国もしっかりと実行する年であると考えています。

 

 日本は極東の小さな島国ではありますが、古代から中世にかけてユーラシア大陸から農業技術をはじめ、建築、工芸、文字、宗教、法律等、人が生きるのに必要な様々な技術や文化を取り入れ、それを日本化して固有の風土に合わせて発展、進化させ、生活を営んできました。近代になると西欧諸国から科学技術や新しい社会システムを懸命に学び近代国家を築き上げました。多くの非西欧国が植民地化される中で、我が国は独立国家として近代化をなし遂げました。指導者たちは、「独立自尊」と「協力・協調」(自立と共生)を唱え、国民の多くも気概を持って努力をしたのでした。しかし、第二次世界大戦の反省に基づき、大戦後は、国際化の中で「文化」と「経済」に力を注いで自国の発展を図ったのです。

 現代の日本社会が直面している「原発」や「基地」や「日中問題」は大変難しい問題であることは間違いありませんが、「自立」と「共生」の精神に立脚して、粘り強く英知を集め、相手の立場にも立って一歩一歩進めていけば、必ず解決への道が開けると思います。

 

 生徒・学生の皆様も、自分の人生を楽しく堂々と歩むべく、この「自立」と「共生」を自らの信条としてください。そして目標をしっかり立て、具体的な計画をつくり実行することです。

 

 文京学院の中学校・高等学校は本年も「誠実・勤勉・仁愛」の実践による人間教育を進めます。クラブ活動の支援はもちろんですが、中高校一貫において、「科学塾」「国際塾」の一層の振興を図り、「スーパー・サイエンス・ハイスクール」の名にふさわしい教育の充実を図って参ります。これからの社会は男女共生社会で、女性も生涯働き続けることになっていくと予想されますので、そうしたことを前提に進路を考え勉強することをお勧めします。

 

 幼稚園では、文京・ふじみ野両幼稚園では、既に定着している研修会を通じて、一層の保育力向上にむけた課題、問題意識を共有するとともに、新しい保育のあり方等について、積極的な改善策を実践していく。特に、大学のCLEC(子ども英語教育センター)との連携を強化し、文京独自の幼児英語教育の実践にも着手して頂きたいと思います。

 

 大学においては「文京グローバルキャリア・インスティテュート(文京GCI)」が、いよいよ本格的にスタートします。一年生で早速、海外へ勉強に行って頂くことになるでしょう。世界があなた達を待っています。挑戦してみようではありませんか。新年を「グローバル市民へのスタートの年」にしましょう。私は、皆さんの一人ひとりが主役になって、自分の人生を作り上げる覚悟で自立し、人々と共生していくことを心から願って応援して参ります。

 

学校法人文京学園

理事長・学園長 島田 燁子