2018年 新春のご挨拶<理事長 島田昌和>
新年あけましておめでとうございます。新しい年のスタートを園児・生徒・学生とその保護者の皆様、本学にご協力いただいている企業の皆様、そして教職員とともに、新たなる意気込みを持って迎えられますことを心からお慶び申し上げます。
2018年は、学園創立94年目を迎える年となります。文京学院大学保健医療技術学部看護学科が初めて卒業生を世に送り出す年となり、学生たちは今、国家試験に向けて猛勉強を続けている最中であります。また、第3回目を迎える「新・文明の旅プログラム」では、この3月に中央アジアに位置するウズベキスタンとカザフスタンを訪問予定であり、履修学生は中央アジアとの繋がりを求めて国内のさまざまな地を訪問し準備を着々と進めております。
昨今、世界に通用する人材育成のための教育改革が官民挙げて声高に叫ばれています。入学試験制度変更への準備も重要であり、私どもの中高大あわせて教育改革を取り組んでおります。強固な信念をもって、行動力ある人材の養成を先行させており、その取り組み例として、新たな視点である特定目的英語(ESP)を一般の英語教育に併行的に導入することにより、英語学習への強い動機付けが図られるという研究成果を「ESPシンポジウム」と題して報告いたしました。また、ロンドン芸術大学や企業の皆様にご協力いただき、ロンドンデザインフェスティバルに出展をし、日本の素晴らしい伝統工芸の現代化、グローバル化を本学の成果と共にアピールしてまいりました。
中高の新たな取り組みは、“ポスターセッション”と呼ばれる探求・発表活動に象徴されています。理数キャリア、国際教養、スポーツ科学それぞれのコースで学ぶ生徒たちは、自ら設定した探求の問いに対して仮説を立てて検証し、そこから独自の答えを見出し、様々な人と討論することを繰り返し行っています。これらを通じて、生徒たちは主体的に考える力や実践力を身に付けつつあります。少し先の、まだ実現していない将来の人間像を常に目標とし、教育改革に積極的に取り組むべく、教育施設の拡充、教育手法・プログラムの育成・確立に教職員一丸となって一層務めて参ります。
新しい何かを身につけるためには、強固な欲求や信念があって、はじめてまだ形のはっきりしない遠くの目標や夢を追い続けることができるのではないでしょうか。目標を追い続ける中で、失敗や挫折、悔しさがあってこそ、さらに嘘偽りのないより強い自分自身の信念に昇華できるではないかとも感じております。学園自身が学生・生徒の先頭を切って、失敗を恐れず大きな目標にチャレンジしてまいります。
私どもは「自立と共生」の建学の精神と「誠実・勤勉・仁愛」の校訓を長き伝統と共に何よりも大事にしてまいりました。高い技術を誇る日本の伝統工芸が変革を志向しなければその伝統さえを失いかねないことと同じように、文京学園の教育も失敗や挫折を恐れない高みを目指す挑戦の心と、信念を持って続ける変革への行動によって、伝統を価値あるものとして残してまいります。「変革あっての伝統継承」を心に刻み、来るべき95周年、100周年に着実にステップアップできるよう2018年を歩んでまいります。