2018年 新春のご挨拶<学長 工藤秀機>
2018年の新春を迎え、皆様には益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
昨年の日本私立大学協会創立70周年記念式典において示された決意表明で、私立大学の進むべき方向に関する4項目の一つに「『建学の精神』を昂揚するような私立大学の運営を推進すべきである」との目標が掲げられておりました。またこれに遡ること2年前には日本私立大学連盟・インテリジェンスセンター政策研究部門会議から次のような提言がなされました。「私立大学はそれぞれ固有の建学の精神と教育理念を有し、これらに基づく高等教育を提供し社会に貢献してきた。しかしながら、大学進学者の増加に伴い、多くの学生を受け入れ、国や社会からの要請にも取り組んできたが、次第に画一化への道を歩んできたことは否めない。この状況を転換しない限り、各大学の価値と多様性は失われ、私立大学全体が時代のダイナミックな変動に対応できなくなる。この状況を事前に回避するためには、認識を共有したうえで、個々の私立大学が建学の精神や大学を取り巻く諸環境(規模、地域、歴史等)を踏まえ、『独自の確固たる』ビジョンと中長期計画を策定することが必要である。」
これらの日本私立大学連盟の提言や、私立大学協会の決意表明をみると今後、各私立大学は「建学の精神」に根差した特色や魅力を明確に掲げたビジョン策定に取り組まざるを得なくなるだろうと思われます。
本学では創立100周年までに達成すべき目標として、昨年、将来構想「B’sビジョン2024」が策定され、その実行委員会も組織されて計画実現に向けてスタートしたところです。
「B’sビジョン2024」は建学の精神である「自立と共生」のもと、4つのビジョンを設けています。すなわち(1)国際化に対応した地球市民の育成(自立・共生)、(2)ストレス耐性のある人材育成(自立)、(3)永久サポート大学(自立)、(4)教育力日本一を目指す大学(自立・共生)であります。これら4つのビジョンは建学の精神と強く結びついたものになっています。各ビジョンは更にいくつかのカテゴリーに分かれており、それぞれが実現のための具体的戦略・行動計画へと展開されています。今までは建学の精神が単なる旗印に留まり、大学の教育方針等との整合性が曖昧だったように思います。例えばディプロマポリシーにおいて「建学の精神である『自立と共生』の理念をよく理解し・・」と表記されてはいるものの、「建学の精神」が具体的に見えてこないところに弱点があったように思います。
この意味においても今後は「B’sビジョン2024」が建学の精神の可視化を担保するものになってゆくのではないでしょうか。
本学の魅力と特色を外部に発信するためにも、皆様には2024年の創立100周年にむけ教職全員でこの将来構想を順次実現させてゆくようお願いしたいと思います。
本年が皆様にとって良き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。