平成25年10月19・20日、本郷キャンパスにて第49回文京祭が行われました。(学生記者)
平成25年10月19・20日、本郷キャンパスにて第49回文京祭が行われました。
今年のテーマは「PRISM ~自分のcolorを見つけよう~」です。私たち学生記者は2日目の様子を取材してきました。
たくさんの方々に取材をする中で、私たちも勉強になることがたくさんありました。そんな私たちの感想も加えながら、今年の文京祭を皆さんに紹介したいと思います。
○チャリティグッズ販売
東日本大震災の震災遺児支援プロジェクト『ブレーメンズ』がチャットラウンジにてチャリティグッズを販売しました。現在約30名の学生が所属しており、グッズのデザインすべてを学生が手がけているそうです。カレンダー、タンブラー、ノートやクリアファイルなど様々な商品が並んでおり、手に取ってまじまじと眺めて吟味したくなるくらいの、かわいらしいものばかりでした。
『ブレーメンズ』代表の大川さんにお話しを伺いました。特に印象的だったのが、木製の商品は、東北の間伐材を使用し、製作も東北の技術者の方に依頼をしたとのことでした。自分たちで商品を作り上げて、その売上を寄付するだけでなく、柔軟に支援の幅を広げるその姿勢は、大きな感銘を与えるものでした。
↑ブレーメンズのみなさん
○新文明の旅
新文明の旅とは、2024年の文京学院創立100周年までの15年間で、ユーラシア大陸の様々な国を、本学からの研修団が訪問するプロジェクトです。昨年2月から3月にかけて訪問したトルコ、ブルガリア、ルーマニアで得られた体験とその感想、2015年に訪問予定のラトビア、リトアニア、ポーランドについての情報などの展示や、パソコンとプレゼンテーションソフトを使用した活動報告が行われました。
「日本の文化を伝え、海外の文化を学んでくる」ということを大きなテーマとして掲げており、海外の学生と交流し、お互いに自国の文化を発信するためにプレゼンを行うので、参加する学生は、「海外の学生に日本の何を伝えるべきなのか?」ということと訪問先について、基礎から1年をかけて勉強しながら準備をするそうです。第一回に参加した学生さんからは、海外の学生の「知りたい!」と思ったことに対してとても積極的であることや、個人やグループでのプレゼンテーションの機会がとても多くあったので、自分から情報を発信する力が身についたと話してくれました。
↑第一回新文明の旅に参加された学生さん
○ポスターコンテスト
「タバコ」をテーマに、様々なアイディアあふれるポスターが展示されていました。文京祭のパンフレットと一緒に入っている投票用紙に、どのポスターが一番良いかを投票して、表彰式のときには抽選でクオカードが当たる、という企画です。
喫煙時の公共マナーについてだったり、タバコの有害物質の危険性を訴えるものだったり、一目見ただけで危機感を伝えるものが多かったように感じました。
↑ポスターコンテストに出展されたポスター。どれもインパクト大!
○ゼミの研究展示
今年もたくさんのゼミが研究の成果を発表していました。その中のいくつかをご紹介します!
(1)櫻井ゼミナール 「日中会社法の比較研究」
櫻井ゼミでは、日中の会社の比較を大きなテーマとし、一人ひとつそれぞれ関連した研究結果を展示していました。日本は「1円企業」といって、とても安価で起業できる場合があるのに対し、中国の会社は有限責任会社の1種類のみで、出資額が有限なことから、企業を設立するためには必ず多額の資金が必要になると話してくれました。苦労した点について、本学の図書館だけでなく、東大の図書館へ調べに行かなければならないほど、中国の会社法は難解だったそうです。
↑櫻井ゼミの学生さん
(2)阿曽村・甲斐田ゼミナール 「カンボジアのフィールドワークの報告、富士山の世界遺産登録について」
阿曽村・甲斐田ゼミでは、ユネスコ研究、カンボジア研修の報告、発表を行っていました。フィールドワークのテーマは「カンボジアの遺跡群と現状」についてで、その報告の展示をしていました。ゼミ生の方がカンボジアの民族衣装に身を包んでいて、とても素敵でした。「ユネスコ研究」として富士山の世界遺産登録についての報告を展示しており、富士山は自然遺産としては認められなかったため、芸術、信仰による「シンボル」として文化遺産へ登録されたという経緯の様々な写真が展示されていて、とても分かりやすい展示でした。
↑阿曽村・甲斐田ゼミのゼミ生さん
(3)倉島ゼミナール 「ボディペイント、顔タク」
倉島ゼミでは、似顔絵を描いたり、100円でボディペイントをする企画を行っていました。情報を読み取るイメージリテラシーをテーマに、絵だけで読み取れるものをつくる研究から、このような企画を考案したそうです。皆さん、とても和気あいあいとしていて、校内でもこのボディペイントをしている人を多数見かけました。
↑倉島先生とゼミ生のみなさん、似顔絵をかいてもらっている学生さん
(4)吉田ゼミナール 「ミュージカル会社の比較、妹背山婦女庭訓とロミオとジュリエット比較研究」
吉田ゼミでは、3年生はマネージメント文化としての「ミュージカル会社の比較研究」、4年生は『ロミオとジュリエット』を歌舞伎としてリファインした「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)の比較研究」等、ミュージカル作品の多様性について、リレーする形式で研究を展示していました。教室一面に展示がされており、ぐるっと室内を一周する形で見て回る形式です。作品ひとつをとってみても、他国との文化の違いを分かりやすくまとめており、とても印象的でした。
↑吉田先生とゼミ生のみなさん、リレー研究の展示
(5)櫻澤ゼミナール 「共同研究論文の展示」
櫻澤ゼミでは、2年生と3年生それぞれの研究が展示されていました。膨大な論文であるにもかかわらず、2年生の研究はさらに継続中らしく、驚かされました。3年生はクリエイティブ産業についての研究を展示していました。日本の政権が変わったことにより、経済産業がどう変わったのかを図表化するのがとても難しかったそうです。発表の展示はもちろん、教室の外からでも迫力を感じる展示ばかりでした。
↑櫻澤ゼミのみなさん
○各部活動のパフォーマンス
(1)[吹奏楽部]
今年の文化祭でも、例年に増してすてきな演奏を披露していた吹奏楽部。今年も演奏を堪能することができました。客席は満席状態で、立ち見の観客もいたほど。演奏された曲は、『踊る大捜査線』のテーマ曲集や『君の瞳に恋してる』など、どれも耳にしたことがある有名な曲ばかりだったので、とても盛り上がりました。演奏中には手拍子が起きたり、曲が終わるごとに大きな拍手が起ったりと、吹奏楽部と観客が一体となった時間でした。
↑吹奏楽の演奏の様子
(2)[ダンス部]
今年のダンス部は総勢40名でパフォーマンスに挑みました。会場であるメセナ(体育館)へ足を運ぶと、たくさんの観客がダンス部のパフォーマンスを観にきています。今年は、「悲劇のラブストーリー」という物語性のあるダンスに挑戦。ダンサー1人1人が、全身でテーマを表現していました。時にはソロで、時には1つにまとって――観る者を飽きさせない、最高のパフォーマンスでした。
↑ダンス部のパフォーマンスの様子
(3)[茶道部]
茶道部の皆さんはきれいな着物姿で私たちを迎えてくださいました。普段は立ち入るこの無い和室に、ここが大学の一部だということをすっかり忘れてしまいました。茶道部は今年、“和カフェ”と“お茶会”を同室で行うという工夫をしました。留学生やポーランド大使の方も接待したそうで、そのために掛け軸やお茶に関する説明を英語でできるように準備していたそうです。「この文化祭を機に、私たち茶道部も情報を積極的に発信し、もっとお茶会に参加してくれる学生が増えるととても嬉しい」と話してくれました。
↑茶道部の様子、集合写真
○【美味しそうな匂いが漂う】模擬店を紹介
文京祭の目玉の1つでもある、模擬店。今年もたくさんの出店がされていました。定番の焼きそばや、揚げたこ焼き、チヂミやからあげなど、美味しそうなものばかり。あいにくの雨にも関わらず、どのお店からも活気溢れる声が聞こえ、またどの店にも行列ができていました。実際にいくつか食べると、どの食べ物も学生が一生懸命料理しただけあり、とても美味です。来年はどんな模擬店が出店されるのでしょうか。今からとても楽しみです。
↑模擬店と販売されていた料理
○【模擬店同士の熱い戦い】模擬店対決
文京祭実行委員主催の模擬店バトル「歌って運んでNo.1」このイベントの目的は模擬店の宣伝権を獲得すること。内容は、2人1組になり、フラフープを5回回してから、風船を背中で挟み、自分の陣地に運んだ得点で勝敗を決める、というバトル。どのチームも一生懸命声援を送ったり、時には笑いが起ったりと、見ている側も参加している側も、さらには運営している側も盛り上がれる楽しいイベントとなりました。
↑模擬店対決の様子
○フェアトレード推進同好会
こちらは、「フェアトレード」という言葉を広めるため活動している団体です。「フェアトレード(公平貿易)」とは、発展途上国の資源や商品の適値で安定的に購入する貿易を行うことで、途上国の社会環境改善と発展を促すための運動のことです。フェアトレードカフェとしてコーヒーや紅茶、クッキーなどから、様々な手作り雑貨の販売を行っていました。コーヒーのとてもいい香りが広がっており、まわりに模造紙でまとめられたフェアトレードの活動の展示も心惹かれるものがありました。
↑フェアトレード同好会のみなさん
○キャリアリーダー委員会
キャリアリーダー委員会は、学生による職業や進路情報を取材、そして発信することを主な活動内容としています。夏休みに行った企業訪問を、模造紙にまとめ展示しているほか、プレゼンテーションソフトを使った報告会も行っていました。こちらの委員会の卒業生も参加しており、活気のある雰囲気の中、来場者に展示の説明を行ったり、用意されたお菓子を楽しみながら談笑したりする様子がうかがえました。こちらでは1年生から企業訪問を体験してプレゼンを行い、2年生からは自分で企業に電話で訪問のアポイントメントを取るなど、学年を問わず様々な経験をすることのできるシステムに、とても驚かされました。
↑キャリアリーダー委員の学生さんと、卒業生のみなさん
○【文京祭も大詰め】福引き&立食パーティ
文京祭も終盤になり、B’sダイニングでは立食パーティを兼ねた福引き大会が行われました。立食パーティに用意された料理はパスタや揚げ物など、とても種類が豊富でどれも美味しそうです。留学生の姿も見られ、とても楽しんでいるようでした。
福引き大会は、文京祭実行委員の司会によって進められました。今年もたくさんの景品が用意され、番号が発表されるたびに、喜びの声や番号が外れ、悔しがる声が聞こえていました。
↑福引き、立食パーティの様子
○【あなたの夢はなんですか?】PRISM TREE
今年から始まった「文京祭のテーマに沿ったイベント」それが、この「PRISM TREE」です。実行委員の方が一生懸命作った、手作りの木に、文京祭に来てくれた方々の夢や目標を飾り上げ、カラフルな木が作られていました。たくさんの来場者の夢や目標がある中で、一番多かったのは、「彼氏・彼女がほしい」というもの。みなさんの夢や目標が叶いますように。
○閉会式
すべてのイベントが終了し、いよいよ閉会式です。今年は副委員長である宮崎さんが、文京祭を開催するにあたってのたくさんの苦労や、参加してくださった方々への感謝の気持ち、文京祭成功の喜びの気持ちを話しました。宮崎さんの言葉を聞いて、文京祭が成功に終わったのは、実行委員をはじめ、たくさんの方々の協力があってこそだと感じました。
↑閉会式、副委員長・宮崎さんの挨拶の様子
閉会式が終わると、長かった文京祭もこれで終わりなのかと、少し寂しさもありました。文京祭の取材をしたことで、大学の隅々までを観察することができました。普段の生活では見ることのできない学生の姿や、隠れた活動がたくさん見られ、とても貴重な体験となりました。今年は大雨に見舞われましたが、来年は秋空の下で、今年よりもたくさんの来場者と共に盛り上がることを祈っています。
最後に、インタビューや取材にご協力してくださった、たくさんの学生のみなさんに感謝致します。ありがとうございました。
(取材・写真撮影・記事作成 学生記者 牛込・岡安)