2023年 新春のご挨拶<学長 櫻井隆>
変転きわまりない現代の動きを見る目を!
学長 櫻井 隆
新年あけましておめでとうございます。皆様には新春を寿ぐ清新なお気持ちで新年をお迎えになられたことと思います。
さて、2019年2月に国内で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、間もなく4年目に入ろうとしております。少しずつではありますが、新型コロナウイルスの医学的な内容が明らかとなり、それと共にワクチンも開発され、多くの国民が3回以上のワクチン接種を終えられています。
大学においても教育の質を落とさないという考えのもと、着実に対面での授業が復活してきております。しかしながら、県を超える移動ができない時期が多く、そのために委員会活動やクラブ活動はともかくとして大学での諸行事がなかなか実施できないという状況が続いて参りました。ここに来てようやく課外活動を含め概ね大学の諸行事も対面で実施されるようになって参りました。例えば、昨年3年ぶりに本郷キャンパスとふじみ野キャンパス間を歩く30kmウオーキングや五街道ウオークが実施されました。更には、延期されておりました第4回「新・文明の旅」プログラムも実施され、昨年の9月にインドネシアのバリ島を訪問することができました。この他、両キャンパスの大学祭も全面対面で実施されました。このように授業のみならず課外活動も着実に対面実施が増え、大学本来の姿に戻りつつあるのが現状です。キャンパス内に笑顔の学生たちが行き来し、マスク姿ではありますが、学生たちの弾む会話があちこちで見受けられるのは大学本来の姿に戻りつつあることを実感しております。本年は更にこのような姿で行事等が進められることを期待しております。
ところで、昨年より本学として進めて参りました地域連携、社会連携をもう一段前に進めるために附属校以外の高校と包括連携を進めるとともに本学にはない学部を持つ大学との連携を積極的に行って参りました。前者としては、都立千早高校や神田女学園中学高等学校との包括連携協定が締結されました。後者としては、東京電機大学との連携です。現在、その他の大学との連携も模索しております。これらは教育だけではなく、先生方の研究に関してもその幅を拡大するには異なる学部を持つ大学との連携をしていくことが極めて有益と考えたからです。
また、昨年2月、ロシアがウクライナに侵攻するという考えられない事態が起こりました。まさに世界を震撼させる出来事でした。本学としてもいち早く理事長・学長連名での非難声明を日本語・英語・ウクライナ語の3か国語で出しました。更にウクライナを支援したいという学生たちが毎年行っている「椿ランタンライトアップ」のライトをウクライナの国旗と同じ黄色と青のランタン1,200個余りを作り、本学正門脇のショーケースに色鮮やかに飾られました。その点灯式が行われた昨年の11月11日には在日ウクライナ大使館よりインナ・イリナ三等書記官にもお忙しい中ご出席をいただき、温かい心のこもるご挨拶を頂戴しました。更には本年4月よりウクライナ留学生2名を本学として受け入れることも決定しております。
このように本学は知の成果を社会に還元するとともに社会に貢献できる教育機関として本年も全力で教育・研究・社会貢献活動を担っていく決意でおります。
最後に、創立者島田依史子先生は「・・・変転きわまりない世の中の動きを見る目をもたねばならない・・・」といわれております(同『私の歩んだ道』20頁)。この一文は昭和55年に書かれたものですが、変化の激しい現代社会にあってもその通りであると実感する毎日です。
どうか、皆様も変化の激しい現代社会の動きを見る目をもち、素晴らしい一年になることをお祈りしております。