2025年 学院長・理事長 島田昌和 新春のご挨拶
皆様、新年あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
文京学院は、昨年、創立100周年を迎え、記念式典や懇親会などに多数のご来賓や卒業生に集っていただくことができました。大きな節目を在籍中の生徒や学生、保護者・保証人の皆様、学院を支えて下さっている各種お取引先や卒業生がお世話になっている就職先、お付き合いをさせていただいている各国の大使館関係者や海外の提携大学関係者など、そして多くの卒業生と共に祝えたことは無上の喜びでありました。100周年を記念して制作された劇場公開映画は今年の秋に全国の映画館で上映されますので、ご関心のある方々にはぜひとも映画館に足を運び、見慣れたキャンパスを舞台に展開する、老若男女の学びにまつわる物語をお楽しみいただければと願っております。
100周年式典時に、本学の保存する史料を綴じ込んでいた、こより紐から発掘された、創立者島田依史子先生直筆の「更なる覚悟を」の一文を、ご披露させていただきました。まさに我々の次なる歩みに、さらに一層の覚悟を持って進みなさいとメッセージが降りてきた思いでありました。DX、AI、データサイエンスと世の中の社会インフラや根幹が大きく変化する現代の新たな担い手を世に送り出さねばなりません。少子化が一層進み、労働力不足が顕著になる状況に、新たな仕事の担い手を海外からも見いださねばなりません。それらに対して、幼稚園、中学・高等学校、大学・大学院、それぞれのレベルで適応して果敢に変革して参ります。100周年記念映画のタイトルに入る「数式」の文字はまさにその向かう先を示しております。
既にお伝えしていますとおり、「ヒューマン・データサイエンス学部」(仮称・設置認可構想中)を準備しています。「データサイエンス」というとまさに理系で大量の数字に向き合い、数字の分析をするイメージでしょう。ですが、数字にもいろいろな色がついているというか、何に役立つ数字かはいろいろです。人に関わる部分、人のケアをする事に関わる領域の数字を取り扱っていきます。それはどうしてかというと、私たちの大学は人間学部や保健医療技術学部を中心に、例えば心理学のような人そのものに関わる学問や、幼児教育・福祉・リハビリテーション・検査技師・看護師など、人のサポートをする領域を多数取り扱っています。それらは長年の勘や経験則に基づいて、人が直接触れることで安心してもらえる分野でありました。それは同時に多くの人の手を必要とし、疲弊を生みやすいという難点をかかえています。だからこそ、新たなデータサイエンスの力を投入し、科学的に最も適切なアプローチを導き出し、AIやロボットの力をどんどんと導入して職場を変えていかねばなりません。素晴らしい教員陣が揃いつつあります。「いくつもの大学からオファーをいただいているが、本学が人に関する多様なデータに最も近い大学だから、既設学部と連携してどんどん分析をして実際の社会に役立つ研究をして現場に還元したい」と言って下さっています。我々の周りには、エビデンスも無く鵜呑みにしていること、長年こうしてきたから疑問を持たずにそのやり方を続けているということだらけではないでしょうか?疑うこと、真理を求める心、科学的に納得できる答えを探しにいくこと、そんなマインドがあれば誰でも飛び込むことができるフロンティア領域です。先に記した本学の映画タイトルの一部の「数式」には「しあわせの」という形容詞がついています。そうです、「しあわせの数式」を求めていくのが文京学院の101年目の動き出しです。皆さんと共に一緒に新時代の「しあわせの数式」を探し求める一年にしたいものです。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。