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学園紙Pickup 平成24年10月31日号 記事詳細

大学2012.11.28

心理学科OB 堀井さんに「仁愛賞」

 

1031_jinai.jpg 人間学部心理学科OBの堀井拓馬さん(2009年3月卒業)が10月17日、ふじみ野キャンパス・アトリウムで「仁愛賞」を受賞しました。

 堀井さんの小説『なまづま』が、昨年、第18回日本ホラー小説大賞(株式会社角川書店主催)で「長編賞」を受賞。それに伴い、角川書店からあと2作のオファーがありました。次の作品『夜波の鳴く夏』は、この8月末に出版され、Amazon(オンライン書店)では早くも「星4つ」の評価を受けています。

 現在、3作目を執筆中ですが、堀井さんによると「アイデアが涸れることはない」。幼少時代から文章を書くことが大好きで、作家志望だった堀井さん。中学時代に練ったプロットを、高校時代にフロッピーに収め、それを大学時代にはUSBに移して、現在はそれらを基に次々と書き進めています。既に4作目の構想もあるとのことで、作家としての才能が全開状態です。

 それらの顕著な活動が、今回の「仁愛賞」に結びつきました。同賞は、本学のため、他の学生のため、社会のために貢献した者に授与されるもので、本来は学位記授与式に合わせて授賞式が行われるのですが、堀井さんの健闘を称え、今回は特別にこの時期に贈られました。

 授賞式には、伊藤英夫人間学部学部長はじめ、ゼミで堀井さんを指導した永久ひさ子心理学科教授ほか各学科の教授陣も出席。後輩たちも、川邉信雄学長から賞状と副賞を授与される先輩に、大きな拍手を送りました。学長より激励の言葉を受けた堀井さんは、堂々と次の挨拶。「文京学院で学んだ心理学はじめ、卒論を書いた経験も、ひとつの物事を多角的に見る力をつけてくれました。それらがみな繋がり、作品に生きているので、後輩の皆さんには、今学んでいることに一生懸命取り組んでほしいと思います。今回、このような賞をいただけて、母校への愛がさらに深まりました」。最後に「どうかBOOKOFF には売らないで」と笑わせる場面もあり、和やかな授賞式となりました。

 

 

 


 Green Spirits

 

共に夢を語り、誠実を心に刻もう 

小泉博明 外国語学部教授/本郷教職課程センター長

 

1031_green.jpg 教師の仕事とは、不確実性、無境界性、複線性をもつものであり、マニュアルがないとも言える。山田洋次監督の『学校Ⅱ』は北海道の全寮制の特別支援学校が舞台である。新任教師が指導困難な生徒に悪戦苦闘し、西田敏行が扮するベテラン教師に相談する。「先生、どうしたらよいか、教えてくださいよ」と悲痛な叫びを発する。それに対し「僕にも分からないよ。それを探すのが先生の仕事なんだよ」と応える場面がある。教室空間は一対多であるが、教師はこども一人ひとりに対応し共に学ぶ。

 フランスの詩人ルイ・アラゴンは、ナチスの弾圧という絶望的な状況において「ストラスブール大学の詩」をつくり、「教えるとは共に夢を語ること、学ぶとは誠実を心に刻むこと」と語った。教師とはこどもに寄り添い、潜在能力を持ったこどもに未来を託す仕事である。何と素晴らしい働くことの喜びと、生きがいを感ずる職業なのであろうか。また、学びの主体はこどもであるが、「教師あっての学校」「学校は教師次第」とも言われる。まさに学校とはこどもの能力を引き出す教師によって成立しているのである。

 さて本郷キャンパスでは、外国語学部で中学校・高等学校英語教諭、経営学部で高等学校情報科教諭の教員免許が取得できる。これまでに堅調に成果を挙げ、中学校・高等学校教諭だけではなく、小学校教諭と合わせると14名の卒業生が教師として活躍している。現役で高等学校教員採用試験に合格した人、臨時採用から本採用となった人、卒業後に小学校教員免許を取得し、小学校教諭になった人など、経歴は多様であるが、教師への夢を持ち続けた結果であると思う。本郷キャンパス全教員の指導と日常的な教職課程センターの先生方の面談をはじめとする、熱心な個別指導の成果である。また学校インターンシップも奨励し、毎年報告会を開催し、たくましく成長した学生の姿を見ている。

 教師を目指し、教職課程を受講している学生の皆さんには、教壇に立ち、こどもの前で溌剌と授業をしている5年後、10年後の自分の姿を想像してほしい。それが現実となることを心から祈念し、教職課程センターとして支援をしていきたい。

 

 

 


 地域コーディネイター育成講座プログラム 

本学学生が積極的に学習

 

 ふじみ野市では、地域の多様な関係者が垣根を超え、協働で「まちづくり」を行っています。その一端を担うのが、本学の環境教育研究センター(柄田毅センター長)に所属する学生たちです。

 そのひとつとして「地域コーディネイター育成講座プログラム/副題・しっかりしたビジョンでやわらかくつなぐ」(主催=市民による地域コーディネイター育成講座実行委員会/野瀬祥男代表)が、この9月から上福岡西公民館ホールで開かれ、文京学院生が活躍しています。講師は、NPO法人エコ・コミュニケーションセンターの森良代表。第2回の10月14日には、「地域でのコーディネイトの課題」と題して、「相談」「対応」「フィードバック(アドバイス)」の方法を小グループに分かれて練習しました。例えば、ある文京学院生は「環境教育研究センターには、108人の学生が所属しているにも関わらず、実際に活動する学生は限られてしまい、その他の学生にいかに参加してもらうか」の悩みを抱えています。聞き役は、相手の思いを聴き取り「活動以外に食事をしたり、他の方法でコミュニケーションを取り、無理なく自然に活動に誘い込む」というアドバイスを行いました。さらに立場を変えて、相談役が聞き役に回り、全員が3行程を体験。

 森代表は「文京学院生は積極的に講座に取り組んで熱心。地域と大学が協働しているエネルギーがあり、大変レベルが高い。練習を重ねて幅を広げてほしい」と評価。同講座の学生代表・藤川雅也さん(コミュニケーション社会学科2年)は、「沢山の地域の方々と話し、ひとつの物事にも色々な解釈や解決方法があることを学んだ。大学でこの経験を生かしたい」と同講座での収穫を喜びました。

 第3回は「合意形成のスキルとコーディネイトプランづくり」をタイトルに、11月11日(日)に同会場で行う予定。講座で使われる手法や内容などは、森代表の著書『地域(まち)を元気にするハンドブック』(NPO法人中部リサイクル運動市民の会)『力を引き出すもりもりファシリテーション』(まつやま書房)などで読むことができます。

 

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 投稿

 「ほっと」公開講座で「コミュニケーション」の取り方伝授

 

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1031_hotto_02.jpg心理臨床・福祉センター「ほっと」公開講座が10月20日、ふじみ野キャンパスで開かれました(後援=ふじみ野市教育委員会)。

 「居心地のいい人間関係をつくるには?~ロールプレイで学ぶ、家族のコミュニケーション~」をテーマに、「ほっと」センター長の永久ひさ子・人間学部心理学科教授が具体例を交えながら、効果的な伝え方について話しました。定員20名のところ希望者が多く、27名が参加しました。

 人は誰でも支配されたり否定される事は嫌なものです。しかし、他人の好ましくない行動には否定的な態度を取りがちです。関係を崩さず、好ましくない行動をやめるよう話をするコツとして、「何で○○しないの?」(=あなたメッセージ)ではなく、「私は○○してくれると嬉しい」(=私メッセージ)に言い換える方法が紹介され、実際にこの伝え方を体験し、感じた事を参加者同士で話し合いました。

 参加した方からは「仕事でも使えそう」「実践的で面白かった」「私メッセージを意識してコミュニケーションを考えたい」といった感想がありました。

 また、「このような講座をもっと多くやって欲しい」という要望もありました。「ほっと」では、学内向けにより良いコミュニケーションに繋がるミニワークショップを開催しています。

 

 

 


大学院特別公開講座 

「エイジレス社会」を元気に生きるために

 

 

 「エイジレス社会~元気な明日のために~」をタイトルにした大学院特別公開講座が、生涯学習センターとの連携により本郷キャンパスに於いて、以下のスケジュールでスタートしています。

 

第1回 11月10日(土)

 「高齢期を健やかに過ごすために―介護を受けない身体づくり―」綿祐二・人間学部/人間学研究科教授

 

第2回 11月24日(土)

 「高齢者と薬のつきあい―健康寿命の延長―」石田行知・保健医療技術学部教授/保健医療科学研究科委員長

 

第3回 12月1日(土)

 「高齢社会と新しい高齢者像」下仲順子副学長/人間学部/人間学研究科教授

 

第4回1月12日(土)

 「感染症に打ち勝つには―加齢に伴う感染症と予防対策―」古谷信彦・保健医療技術学部教授/保健医療科学研究科専攻主任

 

第5回2月9日(土)

 「心身の健康とコミュニケーション―医療と上手に付き合おう―」島田栄子人間学部/人間学研究科准教授

 

第6回2月23日(土)

 「アンチエイジングフィットネス」福井勉・保健医療技術学部教授/スポーツマネジメント研究所所長

 

【時間】各回13時30分~15時

【受講料】全6回3千円【定員】50名

【申込】生涯学習センター☎5684―4816、FAX5684―4834

*こちらの講座はすでにスタートしていますが、途中からの受講も可能です。
(但し、受講料は全額の3千円です)