学園紙Pickup 平成24年5月31日号 記事詳細
営業研究会
伊藤顧問「最終講義」熱く
「営業研究会」を通じて、営業職に関する知識を学生に余すことなく伝授し、就職戦線を勝ち抜く大きな力となった伊藤喜重顧問の最終講義が、5月17 日に本郷キャンパスで行われました。
「就職必勝の策」では、特にエントリーシートについて「ストーリー性と論理性があり、感動を与えるものでなければ読まれない」ことを強調。「自己PR」欄の「長所・短所の書き方」には注意が必要であるなど、実際のエントリーシートを例に、その奥深さに触れました。最後のメッセージとして「あきらめることなく道を拓こう!」とエールを送りました。
同研究会第1期の伊藤啓輔さん(2009年、経営学部卒業・経営学部同窓会「あやめ会」会長・本学職員)が、当時のエピソードと感謝の言葉を述べ、日暮武蔵さん(経営学部4年)が花束を贈呈。現在、株式会社大塚商会で営業として第一線で働く明下貴徳さん(2010年、経営学部卒業)も駆けつけ、トップクラスの活躍ぶりを報告しました。
島田燁子理事長・学園長、川邉信雄学長はじめ教職員も、学生と共に伊藤顧問の卓越した講義に聴き入りました。
伊藤顧問は今後、文京学園の評議員として、その力を発揮されます。
心理学科の伊藤裕子教授
ラオスに職業訓練校 校舎を贈る
本学人間学部心理学科の伊藤裕子教授が、ラオスの首都ヴィエンチャンに職業訓練校の校舎を贈り、自立を目指す青年たちに希望を与えています。
埼玉県には、援助を必要とするアジアの国々へ支援活動を継続している「NG O国際協力IV―JAPAN」(冨永幸子代表)があります。伊藤教授がその存在を知ったのは1995年のこと。朝日新聞で「ひとり1万円の奨学金を送ることで、タイの青年たちが義務教育を終えた後も1年間、さらに教育を受けられる」という記事を読んだ伊藤教授は、即、事務局に連絡を取り、奨学金を送る活動を開始しました。当初はひとりへの支援からスタートし、年に数人への支援へと広めていきました。
その中で伊藤教授は、世間では定年と言われる年代にあっても、仕事を持つことのできる自分の立場を顧み、「まとまった支援をしたい」と考え、2年前にその意向を冨永代表に伝えました。
丁度そのころ、同NGO は、支援をタイからラオス人民民主共和国(以下ラオス)に移行しつつあり、「義務教育を終えた青年たちが、手に職をつけ、自立して生きていくための職業訓練校を造りたい」と希望。双方の思いが合致し、伊藤教授の寄付金をもとに、同NGOが建設を開始しました。
建設地は、ラオスにある唯一の大学の敷地内で、周囲は大使館が集まる閑静な場所。通りに面した校舎の1階にあるネイルサロン、美容室、レストランなどで職業訓練を受け、技術を身につける形です。
校名は、ご子息の名前を採り「IV-Japan Mizuki Advanced Training Centre」と命名。今年の2月、瑞希さんを伴い、開校式・譲渡式に出席しました。伊藤教授は、現地の教育副大臣、准教授のKongsy Segmany博士、ラオス日本大使館の横田順子特命全権大使らとのテープカットに臨み、その模様は現地紙に掲載されました。瑞希さんは、その後もSegmany 副大臣と連絡を取り合い、現地のスポーツ振興に尽力しています。
さらに今後、コミュニケーション社会学科の学生たちが、フィールドスタディーズの現場として同校で実習する予定です。
伊藤教授の蒔いた種が実を結び、いくつもの花が開こうとしています。
新たな思いを胸に 伊藤英夫 人間学部長/人間学部教授
ふじみ野キャンパスでは、エゴノキの白い可憐な花が散り、赤や白のハコネウツギが満開となっています。昨年の今頃は、東日本大震災とその後の原発問題で大変な時期でしたが、今年は新入生を迎え、まるで嘘のようにキャンパスにも活気がみなぎっています。
しかし、震災の被害や犠牲者のことを忘れたわけではありません。今年も、人間学部と保健医療技術学部との連携で、学生たちを引率して石巻や遠野でのボランティア活動を計画しています。前学部長からも、息の長い活動として定着させるよう引き継ぎをしたばかりでした。
さて、4月に人間学部長を拝命して2カ月がたとうとしています。その間、今年度第1回のオープンキャンパスが行われ、当日配布した大学広報のパンフレットの作成という仕事もありました。そういう意味で、この2カ月間は、今後の人間学部の将来構想に思いをはせる機会でもありました。
先日、大学経営セミナーに参加する機会がありました。受験生や保護者の視点が、ますます資格重視、卒業後の就職重視になっているという現状分析が紹介されていました。つまり、大学入試という入り口の段階で、大学教育の成果や卒業後の進路という、いわゆる出口の実績が最も重要な判断基準になっているということです。
いずれにしても、大学4年間の教育の質を高め、いかに充実させるかがポイントとなりそうです。いろいろな才能や魅力を備えた原石を預かり、いかに磨きをかけ輝かせて社会に送り出すかが、大学教育の神髄です。磨かずにメッキでごまかした大学教育では、社会に出たらすぐにそのメッキがはがれてしまうし、大学そのもののメッキもすぐにはがされてしまうということです。
大学には、様々な背景や考えを持った学生、いろいろなことに挑戦しようとする学生たちが集まってきます。授業やサークル、バイト先などでの出会いは、必ず貴重な財産となるはずです。自分と違った意見や考えに耳を傾ける柔軟性、そこから何かを吸収しようとする積極性と行動力、そして新しい学びに感動する心を持てる学生に成長してもらいたいと考え、そのための教育実践を模索しています。
「農業インターンシップ」始動
第1回は「朝市」に参加
本郷キャンパス「農業インターンシップ」がスタートし、本学の学生13人が参加することになりました。同事業は、地元・追分通り三面大黒天商栄会の小林益夫会長を中心とする商栄会メンバーが、向丘追分町会の協力を得て、顧客対象の「感謝朝市と米づくり体験事業」を実施し、本学の学生が、同商栄会スタッフとして、4年前からその運営に関わるものです。
第1回は、5月13日に向丘一丁目あそび場で行われた「朝市」。パン・乳製品、おしゃれ小物、赤飯・おはぎなど、商栄会各店舗の目玉商品が所狭しと並び、インターンシップ生は早朝からその準備や販売などに追われました。
リーダーの川﨑由美子さん(経営学部3年)は「福島の原発事故から、家庭内でも食の安全に対してシビアになりました。私は常に生産者側で、出来るとしても販売をすることぐらいですので、この活動を通して、農業のノウハウだけではなく、生産者側の思いや状況も知りたいと思います。今はコミュニケーションがとても大切な時代。地域や群馬の方々との交流をとても楽しみにしています。見かけは今風の女子ですが、やる気は十分にありますので、仲間共々ぜひ厳しくご指導ください!」と意気込みを述べました。
第2回は、群馬県前橋市富士見町「伝次平倶楽部」の協力で、現地での田植え。3回以降は、草取り、稲刈り、現地での産業祭、大学近くでの収穫祭を体験します。その間、9月16日には根津神社祭礼時で追分睦の応援で神輿を担ぎます。最後に、インターンシップ生は小林会長にレポートを提出。地域の方々に見守られ、アドバイスをいただきながら、今年も文京学院生は日々成長していきます。
初のチャレンジは「中山道」
本学の名物行事「東海道五十三次ウォーク」の伝統を引き継ぎながら、新しく誕生した「五街道ウォーク」。第1回は「中山道」に挑戦! 下諏訪(長野県)~高崎(群馬県)までの約111㎞を、7区間に分けて歩きます。
名所・旧跡を訪ねたり、地元の企業の見学や体験など、趣向を凝らしたスケジュールが満載です。黒川まどか学生実行委員長(外国語学部3年)は、「2年に1度の大イベント! テーマは『前進』です。中山道の最大の難所・碓井峠を越えて、一緒に自分を前進させてみませんか? 皆様のご参加を、委員会メンバー一同、心からお待ちしています」とPR。募集人数は5区のみ10人、その他30人。スケジュールは次の通り。日程は全て8月です。
★1区=自然と歴史を楽しむハイキング「下諏訪~長久保」19日(日)宿泊、20日(月)歩行。7500円。
★2区=立科の方々とコラボレーション「長久保~塩名田」20日(月)宿泊、21日(火)歩行。6700円。
★3区=りんご狩りにBBQ「塩名田~追分」21日(火)宿泊、22日(水)歩行。7500円。
★4区=軽井沢でお買い物・絶景「追分~軽井沢」22日(水)宿泊、23日(木)歩行。6500円。
★5区=碓氷峠を下った後は、美味しい釜飯「軽井沢~松井田」23日(木)宿泊、24日(金)歩行。6500円。
★6区=行ってみよう、富岡製紙工場「松井田~安中」24日(金)宿泊、25日(土)歩行。7500円。
★7区=最終区、達成と共にゴールへ「安中~高崎」25日(土)宿泊、26日(日)歩行。8500円。
詳細は、本郷・ふじみ野両キャンパス共に「五街道実行委員会」まで。
(※五街道ウォークは、在学生とその保護の方、または卒業生に限らせて頂いています。あらかじめご了承下さい。)