2011年10月17日、10月31日、11月14日 NBC冠講座「起業と事業創造」を開講しました<1>
本学では、平成19年度より関東ニュービジネス協議会(NBC)と包括提携協定を締結しており、ニュービジネス育成などの領域で共同の事業推進を行っています。その取り組みの一つとして、協定締結当初より「科目の共同運営化」を行っています。今年度は、2年生向け必修科目としてNBC冠講座「起業と事業創造(旧「ベンチャービジネス」)、3年生向け選択科目「起業と事業創造(事業プラン提案型)」(いずれも経営学部櫻澤教授担当)を開講しています。この講義にはNBCより経営者の方を外部講師としてお迎えする特別講演があり、2年生向け「起業と事業創造」では5名の経営者に、様々な視点から「起業と事業創造」について語っていただきます。
第1回目は10月17日、有限会社アースライトの代表取締役の岡本貴士氏を特別講師に迎えて開講いたしました。
講義テーマは、「20代からの起業」。
岡本社長は、大手学習塾でアルバイトしていた時に、「学習塾は規模が大きくなれば高い合格実績を求めるようになる。それは学力の高い子供と経済的に恵まれている子供のためだけの教育ではないのだろうか」という疑問を持ち、地域教育の向上を職とすることを決意。2003年大学在学中の21歳で起業し、学習塾クリップアカデミーグループを運営しています。現在は江戸川区を中心に12教室を展開中です。
講演では、学生起業としての起業体験をお話いただきました。最後には「努力できない人でも努力できる技」を伝授していただく場面も。「努力とはやる気。やる気の源は自信。自信は自分の可能性を信じること。ただ待っているだけではだめで、自分の可能性を高める創意工夫をするとやる気は湧いてくる。」実際に、在学中の8ヶ月で必死で創業資金を200万円まで貯めつつも、挫折しかけた時に、競馬でお金が儲かって目標の創業資金まで手か届きそうになった瞬間、一気にやる気が出てきたという話に学生は驚きつつも熱心に聞き入っていました。
第2回目は10月31日、アートグリーン株式会社の代表取締役社長の田中豊氏を特別講師としてお招きし、開講しました。
講義テーマは、「上場企業を目指す」。
田中社長には19年度の3年生向けの「起業と事業創造」にもご登壇いただき、20年度の入学式でも経営学部の新入生にご挨拶いただいたこともあります。
アートグリーン株式会社は、法人向け贈答用胡蝶蘭の生産及び卸売事業をメインに、異業種からフラワービジネスへ参入する際の支援をする総合園芸コンサルタントなどを行っている会社です。
講演では、テーマが「上場企業を目指す」ということもあり、直接金融と間接金融の違いや、それ故の上場審査基準の厳しさ、上場企業の役割等にも話は及びました。
子供のころから「起業する」と決めていた田中社長。創業当時の苦労を語りつつも、「夢は絶対に逃げない。自分が様々な言い訳を作って、夢から逃げてしまうだけで、夢そのものは、動かない。だから、諦めずに頑張れば絶対に夢は叶う。」と断言する田中社長の姿に、学生たちの熱い視線が注がれていました。
第3回は11月14日、事業創造キャピタル株式会社の代表取締役社長の永瀬俊彦氏を特別講師としてお招きし、開講しました。
講義テーマは「事業発展とベンチャーキャピタル」。
事業創造キャピタル株式会社は、若者の教育に携わり世の中に有用な人材の輩出に貢献してきたNSGグループ及び代表の池田弘氏のベンチャービジネス育成に対する強い意志とそれを支援するための現実的な枠組みを提供することを目的として設立されました。ベンチャービジネスに留まらず全ての起業家のための育成支援によって、地域経済の活性化、そこから波及する日本経済の発展に貢献することを主目的としています。
講演では、永瀬社長が直接手掛けた3件のベンチャービジネス投資の事例を挙げて、ベンチャーキャピタルの仕組みや役割、投資のポイントなどをご説明ただきました。「起業への熱意のある人はどんなに苦境に陥っても絶対に逃げない。」との言葉に学生は熱心に聞き入っていました。
講義後にはゼミ教室に場所を移し、有志学生による社長との茶話会が開かれ、活気あるディスカッションや質疑応答が行われました。
講義を聴講した学生は、毎回、翌週の講義までに特別講義についてのレポートを提出します。レポートは御講義頂いた経営者の方にもお送りしています。
次回(第4回)は11月28日、株式会社ITB法人東京、取締役マーケティング部長、大塚雅樹氏をお迎えします。