2012年11月19日、12月3日、2013年1月7日 NBC冠講座「起業と事業創造」を開講しました! <2>
前回に引き続き、東京ニュービジネス協議会(NBC)冠講座「起業と事業創造」が開講されました。
第3回目の特別講義は、11月19日。勝司法書士法人の代表社員、勝猛一氏をお招きしました。
講義テーマは、『起業の手続きと注意事項』。
勝司法書士法人は、独立した専門部署「商業・法人登記部門」を擁し、組織再編など高度な知識が求められる企業法務に特化したプロ集団です。
講義では、ご自身の法人設立の経緯と、組織再編支援、上場準備会社支援などを行う司法書士のお立場から起業の手続きなどについてお話しいただきました。学生は実際に起業するシュミレーションをしながら、会社設立のチェックリストの順を追って、熱心に聞き入っていました。
昔から何か商売をしたいと考えていた勝氏は、「資格業ってお金をかけずに始められる!」、「勉強して資格取って、しっかりとした営業が出来れば、成功する!」と、夜間の大学に通いながら司法書士の勉強を始めました。当初はある程度の資本が貯まったら、別のビジネスを始めるつもりでしたが、法律が変わり、司法書士が法人化できることになったことから、この道を究める決意をされました。「現在、司法書士の合格者数は10年で倍になりながらも、商業登記件数は3分の2に減っている。3分の2といっても、最近は自分で会社の設立登記を行う人もいるから、実際は2分の一くらいになっている。仕事は半分で、合格者は倍!」と、司法書士業界の競争の厳しさを語りつつも、成年後見制度などに注目し、差別化を図るなどしながら、社員30人を抱えるほどに大きく事業を拡大させてきたプロセスなどもお話しいただきました。
学生は起業の仕組みを学ぶ中で、起業の可能性と難しさの両方をかみしめたようでした。
4回目の特別講義は、12月3日。
株式会社フォーバルの代表取締役会長、大久保秀夫氏(東京NBC会長)をお招きしました。
講義テーマは、『創業・革新そして事業創造』。
1980年の創業以来、情報通信業界において「新しいあたりまえ」を次々と生み出し、技術をただ単に提供するだけでなく、OA・情報通信機器の企画・販売・設置・保守・サポート、通信・インターネット接続サービス、インターネット関連(Web構築、セキュリティ等)サービス、経営コンサルティングなどの事業を展開し、「情報通信の利活用」を支援、「情報通信コンサルタント集団」として「経営の効率化」を促進しています。
大久保会長自身は、当初、経営者になるつもりは全くなく、最初は婦人服メーカーの人事部に配属され、そこでは「何年勤めたか?何時間働いたか?」という時間によって給料が払われる仕組みに不満を感じていました。力があれば若くても課長や部長になりたいし、5時きっかりに帰っても、頑張ったら給料を増やしてほしい。そこで今度は、能力を評価してくれる会社に転職し、あっという間にそれまでの年収を超え、半年間でごぼう抜きの出世を果たし、部下をたくさん持ちましたが、人を大事にしない企業体質に不満を感じそこも辞めてしまいました。このような経験から、人を大切にしながら、頑張りや能力に応じて青天井で給料を上げることが出来るような会社を自分で作ろうと創業されました。それまでの通信業界の常識を打破し、「新しいあたりまえ」を次々と生み出していった様子を聞きながら、学生は自分たちがごく普通に利用しているインターネットや携帯電話の様々なサービスが、いくつものイノベーションを経て発展してきたことを知り驚いているようでした。総務省の調べでは、1990年前後には約540万社だった日本の企業数は430万社を切ってしまいました。選挙を目前にした講義の中で、大久保会長は今後の日本を憂い、学生にぜひとも起業家になってほしいとメッセージを送られました。
後日、学生のレポートをお読みになられた大久保会長からは、優秀なレポートを書いた学生15名に自書の『The決断』をプレゼントしていただきました。
「起業と事業創造」、今年度最後の特別講義は1月7日。
株式会社ハッチアップの代表取締役、八反田智和氏をお招きしました。
講義テーマは『20代から起業をイメージする』。
八反田氏は、現在32歳。もともと20歳で起業を志し、大学卒業後は自分の会社に就職しようと考えていましたが、当時は夢がかなわず、楽天株式会社などいくつかの企業で下積みを重ね、30歳目前で株式会社ハッチアップを起業しました。
八反田氏は、ソーシャルメディア業界が台頭する以前からこの業界に着目し、「ソーシャルメディアデザインを通じたライフスタイルイノベーションの創出」を目的とした、ソーシャル業界の人材紹介を収益の柱としたビジネスを展開しています。
講義では、ソーシャルメディア業界の市場化と開拓動向などの他、20代で起業を考えてこられた実体験を語っていただきました。
「やりたいことが色々あって、何をやっても楽しい日々」と語る、八反田氏の姿は、学生たちの起業観に大きな影響を与えたようでした。