2013年11月18日、12月2日、12月16日 NBC冠講座「起業と事業創造」を開講しました! <2>
「起業と事業創造」の今年度3回目の特別講義は、11月18日に、株式会社コスモピア、代表取締役、田子みどり氏をお招きしました。田子社長は、会社の経営の他、元東京NBC副会長、ふるさと山口法人ネットワーク、WAY長州女の会、萩市ふるさと大使、中央エフエム「みんな集まれ!ついったーの市」パーソナリティー等の公的な活動を通して社会に貢献する活動をされています。
講義テーマは『事業創造と雇用責任…学生起業家の草分けとして…』
田子社長は、日本の学生ベンチャーの先駆けとも言うべき女性です。株式会社コスモピアが産声をあげたのは、80年代前半、会社設立からちょうど30年目を迎えられました。当時の日本は、科学技術立国としての優位性を世界に知らしめようとした時代。その一方で、男女雇用機会均等法の施行前ということで、女性の就職先はかなり限られていた時代でした。田子社長は、次々に登場する最先端の科学技術にふれ、その可能性に感動するとともに、女性の感性を活かせば、一般の人たちにもっとわかりやすくやさしく伝えられるのではないかと考え、それを女性の職域拡大と継続的な就業支援につなげたいと願い、学生ベンチャー企業としてスタートしました。人と地球にやさしい科学技術を健全に普及していくために、多彩な人材のパワーを結集し、科学技術関連の普及啓蒙活動の企画制作事業、IT関連のユーザーサポート事業、人材派遣事業、職業紹介事業、研修事業、パソコンスクールの運営、出版、HP制作などの事業を展開されています。
学生は、自分達との雇用環境の違いに驚きつつも、学生時代に起業した田子社長に「同世代の仲間と起業した時にいきなり社長になるというのはどんな感じだったんですか?」などというような質問が寄せられました。「“長”のつく仕事というのにはそれほど気負いはなく、自然体でやっていたけれど、仲間内の長と社長では責任が違ったから、社長としてのスキルがなかったことが辛かった。」と田子氏は当時の様子を率直に語ってくださいました。これから起業も目指す学生には「起業するときに一番重要なことは“志”。志をしっかり持って誠実に“人”、“物”、“金”を用いて会社を経営するということが原点。」という熱いメッセージを送ってくださいました。
「起業と事業創造」4回目の特別講義は、12月2日、株式会社JPホールディングス、代表取締役、山口洋氏をお招きしました。
講義テーマは『サラリーマンからの起業、そして上場企業へ』
JPホールディングスは、子育て支援事業、給食の請負事業、英語・体操・リトミック教室・研修請負事業、物品販売事業、研究・研修・コンサルティング事業を展開している企業です。同社事業の一つとしてある、子育て支援事業。良質な保育を提供するために必要な専門知識を習得できるよう、職員向けの研修を実施するほか、労働時間を減らすために日曜祝日や夕方の時間帯に保育を行わない事業者の現状を嘆き、それを払拭していく使命感を自身のエネルギーとされています。間接的に利用者の喜びを耳にする時、そこに職員の懸命な働きを感じるのだという山口社長。上場という当初の目標を果たした今、事業を通して日本の保育を変えていくことに喜びを得るという、次なる目標に向かっていらっしゃいます。
講義では、起業当初に手がけていたオフィスコーヒーサービス事業をどのように展開していったのかを詳細に語っていただきました。起業をするからには、必ず上場をすると決めていた山口氏。当時は、上場には売上高25億円、経常利益が3億が必要だったため、この目標を達成するために幾度となる困難の壁を何度も何度も打ち壊しながら事業を拡大していきました。その後、保育が抱える課題、自社の女性社員が自分の子供を安心して預けられる夜間や日曜祝日も開園している保育園が非常に少ないという現状をきっかけに、自社の福利厚生の一環として始めた保育事業を同社の本業へと転換していきました。通信講座で保育士の勉強を始め、大学院でも専門的な勉強をされた山口社長。当時は株式会社の保育事業参入が認められておらず、社長自身が、内閣府や厚生労働省など様々な行政の委員を務めながらが、ようやく2001年からは株式会社も保育事業へ参入できるようになり、今まさに保育事業を拡大展開していっています。非常に高いハードルを越えながら事業を展開して行く様子に学生は驚きを隠せない様子でした。
「起業と事業創造」今年度最後の特別講義は、12月16日、株式会社シェイプアップハウス 、代表取締役、下村朱美氏をお招きしました。
講義テーマは『起業と事業創造、そして国際展開へ』
下村社長には、22年度にも本講義でご登壇いただいています。シェイプアップハウスは、1984年に設立。エステティックサロン経営の最前線であるサロン営業部からエステティックに関する本格的な教育機関の運営などを手がけるスクール事務局、また、1986年に営業を開始した日本で最初の男性専用エステティックサロン「ダンディハウス」など、様々な事業を展開しています。下村社長は我が国を代表する女性起業家の一人です。今回は、翌日に自ら代表を勤められる2013ミス・インターナショナル世界大会の本番を控え、非常にご多忙な中にもかかわらず、ご登壇いただきました。
講義では、シェイプアップハウスの国際展開についてお話いただきました。同社は2008年には香港、2010年には上海、2013年にはシンガポールへ進出しています。理論がわかるエステサロンを作りたいという信念のもとに事業を展開されてきた下村社長は、エステサロンの経営の他、確かな技術を持つエステティシャンを養成する専門学校の運営、エステティシャンの地位の向上と業界の発展を担うNPO法人ソワン・エステティック協会の設立、すべての職業における資格制度の環太平洋における標準化を推進するIPSNの加盟にもご尽力されています。
ご自身の留学体験、事業の海外展開、ミス・インターナショナルなどのお話などを通して、早くから海外に目を向けて異国の文化を理解していくことの重要性を学生に語っていただきました。世界を舞台に事業を展開する下村社長の講義は、学生に大きな刺激を与えてくださいました。