NBC冠講座「起業と事業創造」を開講しました!
今年度も東京ニュービジネス協議会(NBC)冠講座、「起業と事業創造」を開講しました。
主に2年生を対象とした「起業と事業創造」では、社会で活躍する本学卒業生、NBC等に所属する新興企業の経営者を特別講師としてお招きし、起業に関する特別講義を行っていただきます。
「起業と事業創造」の今年度最初の特別講義は、10月16日。 和から株式会社、代表取締役、堀口智之氏をお招きしました。講義テーマは『数学教育で起業する』
和からは、社会人向けの数学塾・統計塾を運営している企業です。工学・ファイナンスはもちろん、転職・昇格におけるSPIや、仕事における分析・管理、論文のための統計学など、身近に数学が必要な社会人の学び直しの場を提供しています。
講義では、ご自身が起業に至るまでの経緯、そしてなぜこのビジネスで起業できたのかを中心にお話いただきました。特に学生に熱く語ってくださったのは、「好きを活かして生きる」、そしてビジネスにおいてとても重要なのは、素晴らしいビジネスモデルを作ることではなく、「お客様がいること」、つまり市場ニーズを発掘し、安定的な顧客を確保することでした。YouTubeなどの無料のコンテンツとは違い、教えたいことを教えるのではなく、顧客が知りたいことをピンポイントで教える数学教室。
2011年に起業したばかりということもあり、学生からは「創業当初はとにかく大変だったと思うけれど、どんなことから手をつけたのか?」「どんなことをしたら軌道に乗ったのか?」等といった起業そのものに関する質問や、経営が軌道に乗ってからの様々なイベントや新教室開講についての戦略ポイント、近年の経営に関することなど様々な質問が繰り広げられました。
第2回の特別講義は、La Plume「ラ・プリュム 花のアトリエ」主宰者、大類優子氏をお招きしました。
講義テーマは『パリでフラワービジネスを開業する』
大類氏は、櫻澤ゼミに所属していた、本学経営学部の卒業生です。大学卒業後一般企業に就職しましたが、趣味で続けていたフラワーアレンジメントを仕事にしようと一念発起。国内で様々な花の仕事に携わりながら、「ニューヨークスタイル」のフラワーアレンジメントを学び、2010年に渡仏。パリのフロリストにて「パリスタイル」を学び、2015年にパリでLa Plume「ラ・プリュム 花のアトリエ」を立ち上げました。
講義では自らの起業体験を中心に語ってくださいました。「当初は起業、ましてや海外で起業するなんて考えてもいなかった。ビジネスチャンスを見つけたので起業したというよりも、フランスの生活を続けるにつれて、日本とは違う文化に触れ、自分の幸せや生き方そのものを見直すなかで、これまでのすべての経験から、自分はどういう仕事、働き方がしたいのかという答えを見つけることができました。」と語る大類さん。
学生からは「他店との競争においてどのような差別化をしているのか?」「他店より安くしたりしてるのか?」「日本人のフローリストとして技術的にはどうだったのか?」という質問がでました。「人と同じことをしてしまったらお客様が何を基準に私を選ぶのかというところが疑問だった。当初は日本人をターゲットにするつもりだったが、テロの影響もあって日本人観光客が減少し、国籍を問わず仕事をすることにした。これまでの日本での経験を通じて培ってきたことは技術的にも十分通用することが分かった。幸いなことに、現地のブライダルのデコレーターとパートナ-シップを組むことができて、なかなか日本人のフローリストが入り込めないフランス人のブライダル市場にも参入できるようになっていったんです。」パリに渡って7年、差別や言葉の壁を乗り越えながら異国の地で自分を信じてやりたいことをやりきる先輩の姿は学生に大きな刺激を与えたようでした。
第3回の特別講義は、株式会社JTBコミュニケーションデザイン、常務取締役、大塚雅樹氏をお招きしました。
講義テーマは、『オリンピックとニューサービスのビジネスモデル』
大塚氏は20代で株式会社JTB法人東京の社内公募制度を利用してJTBモチベーションを社内ベンチャーとして立ち上げ、3年で単年度黒字達成、5年で累損解消、40代になって代表取締役社長に就任後、JTB法人東京の取締役を経て、現在はJTBコミュニケーションデザインの常務取締役として、新たなビジネスモデル作りに取り組んでいます。
大塚氏は本講義には2度目のご登壇となり、前回はJTBモチベーションを社内ベンチャーとして立ち上げた当時のことを語っていただきましたが、今回はJTBグループの法人事業改革を交えて、JTBコミュニケーションデザインの「専門性の強化」と「総合力の発揮」を実現する模倣困難性の高いビジネスモデルについてお話いただきました。
起業を目指す学生に向けて、経営者の視点から、「企業内起業のメリット」、「会社はどんな人材をもとめているのか?」、そして組織に埋れないためには目標を持ち、時間に対する意識を高めて瞬間を大切にして過ごすことの大切さ、「成功の反対は失敗ではなくて、何もしないことだ」と熱く語っていただきました。
第4回の特別講義は、アートグリーン株式会社、代表取締役、田中豊氏をお招きしました。
アートグリーン株式会社は、法人向け贈答用胡蝶蘭の生産及び卸売事業をメインに、異業種からフラワービジネスへ参入する際の支援をする総合園芸コンサルタントなどを行っている会社です。学生時代から「25歳になったら起業しよう」と決めていた田中氏は、大学卒業後にリゾート開発会社に就職、多くの上場企業の役員との会話から、園芸を趣味としている人が多いことに気づき、起業に向けてのビジネスモデル構想をふくらませ、1991年にアートグリーン株式会社を創業されました。1年前に名古屋証券取引所セントレックス市場へ新規上場した企業です。田中社長にはこれもでも数回ご登壇いただいており、かつては上場を目指している創業期のお話、そして昨年にはまさに上場時のお話をしていただきました。今回は、実際に上場したあとの資金調達や、上場のメリット、デメリット、そして今後の抱負について語っていただきました。
田中社長は、「絶対に自分が描いた夢以上に大きなことは成し遂げられない。だから、大きな夢を持つこと。そして夢をかなえるには、まずはじめること。そして叶うまでやり続けること。」と成功の秘訣を熱く語って下さいました。