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「育てにくい」と感じる子ども(3)
さて、ここまで「愛着」と「コミュニケーション」の観点から「育てにくい」と感じる子について考えてきました。
今回は、何故お母さんへコミュニケーションのボールを投げない、
お母さんからのボールを受け止めづらい子どもがいるのかを考えたいと思います。
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名前を呼んでも振り向かない
お友達とうまく遊べない
あやしても笑わない
いつもと順番が変わると異様なほど怒る
ことばが出ない・喃語が出ない
触られるのを極端に嫌がる
視線が合わない、呼びかけても視線を合わせようとしない
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「育てにくい」と言われた子の一例です。成長は子どもによって様々ですので、
もっと色々な「育てにくさ」があると思います。
これらの育てにくさについては様々な理由が考えられます。
たとえば、生まれつき警戒心が強いお子さんの場合、例えお母さんであっても、
自分の安心できる場所だ、と警戒心を解くのに時間がかかる事があります。
また、感覚が敏感で、そうでない子に比べて接触が強い刺激になってしまう子もいます。
この場合、肌に触る感覚を嫌がったり、抱っこされる際の身体の動く感覚を嫌がる事もあります。
とても不器用で、お母さんからのコミュニケーションのボールは受け止めているけれど、
受け止めたという事を上手く表せない子もいます。
同じように、自分からコミュニケーションのボールを上手く投げられない子もいます。
子どもに対して「育てにくい」と感じてしまったとき。どうか自分を責めないでください。
生まれつきやりとりが下手な子もいるのです。
成長するにつれて、感覚の敏感さが和らいだり、警戒心が解けてきたり、
少しずつ器用になるにつれて、これらが解消されてくるかもしれません。
とはいえ、それまでどうしたらいいのか、これからもずっと変わらなかったら?
と不安になる方もいると思います。
様々な性格の大人がいるように、お子さんの発達具合、性格などにも個性があります。
誰一人として同じではありません。育児に関する本や発達に関する研究書などは、
あくまで一般的な話をしている場合が多く、今、あなたの目の前にいるお子さんにぴったり当てはまるとは限りません。
実際にお母さんをはじめとする保護者の方々、お子さん本人にお会いして初めて、
その子に合った方法を考える事ができるのです。
「育てにくい」と感じ、不安に思っている方は、是非、その不安な気持ちを地域の子育て支援センターや保健所でお話しください。
また、心理臨床・福祉センター「ほっと」でも、このような相談を受け付けております。
どうぞお気軽にご相談ください。