留学体験談
【カナダ】ブロック大学フィールドワークレポート②
【留学先】 Brock University
【学 部】 保健医療技術学部(理学療法学科)
【期 間】 2022年8月8日~8月29日
【氏 名】 K・Mさん(留学時:2年生)
Ⅰ.初めに
今回のフィールドワークでは、他学科の学生1人と共に約3週間のホームステイをさせて頂いた。下記に体験した事や学んだことを纏める。
Ⅱ.カナダでの生活、学習
1.カナダで学んだこと
カナダでは、平日朝の9:00〜15:00頃まで授業を受けた。授業内容は午前は現地の教員による、医療に関する英語の授業。午後は、施設見学に伺ったり、様々な医療や保健、健康に携わる職業の方にゲストスピーカーとして来ていただき、医療制度や業務内容、普段の様子などの話をお聞きしたりすることができた。ゲストスピーカーの方は、救急救命医の方や言語聴覚士の方から、アロマセラピストの方まで多種多様の職業の方がいらっしゃった。自分の専攻の話では、資格の制度などの細かい話を聞くことができ、専攻でない話は自分の知らない医療の側面や業務内容について聞くことができて大変興味深かった。
滞在期間の後半では、『自分が興味を持っている健康に関するトピック』という題材で2人1組になってプレゼンテーションを作成し、最終日に発表を行った。それぞれ、遺伝子検査や、音楽療法、日本とカナダの看護師や作業療法士の違いについてまとめたチームなど、様々なトピックが集まっていた。日本語で作るにあたってもわかりやすくする必要がある内容を、英語で伝えるということに苦戦したが、これによって言い換える能力が向上したと考えている。
2.カナダの臨床検査技師
学んだことの中で最も印象深いのは、やはりカナダの臨床検査についての話である。カナダの臨床検査を学ぶにあたって、以下のようなメインとなる5分野がある。
①Clinical chemistry(臨床化学)
化学物質や酵素の力を借りて、尿検査を行い尿蛋白や尿糖などの検出を行う。糖尿病などの診断に利用される。
②Hematology(血液学)
血液型の判定や、赤血球や白血球の算定やリンパ球、凝固機能に関する検査を行う。貧血や白血球やリンパ球の疾患、凝固機能障害などがわかる。
③Immunohematorogy(免疫血液学)
免疫機能の一つである抗原抗体反応を利用して検査を行う。多くの感染症の鑑別に利用される。
④Microbiology & Parasitology(微生物学と寄生虫学)
寒天培地などを用いて微生物などを培養したり寄生虫を見つけることで、症状の原因を突き止める。
⑤Histology / Histotechnology(組織学/組織工学)
がん細胞などの細胞診断などを行う。また尿路結石などの検査を行う。
カナダの臨床検査技師はこれらの分野について、患者の情報をもとに医師やNurs practitionerと呼ばれる特別な資格を持った看護師の人から依頼を受けて検査を行う。検査技師は日本とは異なり国家資格ではなく、州単位に認定される。臨床化学などのメインとなる5分野を学んだ後に医師のように1年間の病院でのインターンシップが必要となる。さらに、試験を受けて、臨床検査協会などから認定を受けることで、技師として活動できるようになる。私的な検査を請け負う市場には大きな需要があり、大きなビジネスとなっているとのこと。
3.カナダでの生活スタイル
カナダの平日の授業後は、よくpen centerと呼ばれるショッピングモールに足を運んだ。本屋や服屋、化粧品だけでなく、現地で人気な食材なども見ることができた。だが、最も興味深かったのは大学が運営しているジムだ。学生証を見せれば誰でも無料で使用可能で、ランニングマシーンからベンチプレスまで多種多様なトレーニングマシーンが置いてあった。こういった施設は日本ではあまり見ないイメージがあるので物珍しい印象を受けた。また、学校帰りにバスに乗ってオンタリオ湖のビーチへ足を運んだこともある。自然も豊かで、施設見学の帰りにネイチャーウォークをしながら大学まで帰った日もあった。
夕方18:00ごろにはステイ先の家にもどりホストファミリーと過ごし、様々なトピックについて会話したり、夕飯の支度をお手伝いさせていただいたりした。主に、日本についての動画を観ながら、文化や食材の使い方や料理についての話をしたり、ニュースを観ながら時事ニュースについてどう考えているかなどの話をしたりした。時事ニュースなどについては、自分の意見を表現することがかなり難しかったが、自分なりの意見を述べることの良いレッスンになったと感じている。時々、ホストファザーが撮った山の写真や、デッサン、集めている切手などを見せていただいた。今では発行されていないものなど、貴重なものを見せていただいてその絵やモチーフなどの話に花を咲かせた。
休日は友人と共に、ナイアガラの滝やトロントへ観光、博物館へ足を運んだり、映画を見に行ったりした。映画は、セリフを聞き逃しても理解しやすいようにとアクション映画を選択した。一つの映画で動物の話や恋愛の話など、話の内容は多岐に渡り、特に医療の話が出てきたことは、予想外にも現地で学んだ医療に関する英語の授業が役に立った。同時にリスニング力の弱さも痛感した為、聞き続けることの重要性を強く感じた。博物館やナイアガラの滝などに足を運んだ際は、電車やバスなどを利用するため、システムの利用方法が分からず右往左往することが何度かあった。その際には、インフォメーションの職員や周りにいた現地の方に道を聞くことができた。最初は話しかけることに躊躇があったが、話しかけると親切に教えてくださる方ばかりで、たどたどしい英語でも熱心に聞いてくださる方ばかりであった。
4.カナダの食事
カナダでは基本的にステイ先の家で食事を取るか、ホストマザーが用意した昼食などを学校で食べることが多かった。朝食はシリアルなどが多く、休日は卵を使った料理が用意されていることがあった。昼食はツナや野菜などをサンドしたサンドイッチと手のひら大の林檎が紙袋に入って渡された。夕食は料理好きなホストマザーが様々な国の料理を用意してくださった。フライドポテトが皿いっぱいに出てくる日もあれば、肉料理にヨーグルトをかける中東風の料理や、ハンガリーの煮込み料理など国際色豊かな印象を受けた。
そとで食事を取った際にはカナダの料理であるプーティンを何度か食べた。この料理はフライドポテトにチーズとソースがかかったものである。店によってソースの味が少しずつ異なるので別の店のを食べて比べるのも一つの楽しみであった。
Ⅲ.まとめ
グローバル化が進む中で、日本国内においても、英語を利用した業務や、国の垣根を越えた知見の共有は更に増えると考えている。さらに、常に最新の学びが必要であると考えているため、これらの情報をいち早く手に入れ自分のスキルとして活かせるようにしたいと考えている。その為にも、今回の経験を活かして行きたいと思う。
私の語学力にはまだ偏りがあり、特に早口の会話を聞き取ることや、自分の考えを伝えること、特に言い換えたりする能力に関しては不得手であると感じている。そのため、隙間時間を見つけて、学内TOEICや、ランゲージサロン、学内で設けられている留学生との交流のチャンスを逃さずに参加したい。