留学体験談
【マレーシア】マレーシア国民大学 フィールドワークレポート②
留学先 :Universiti Kebangsaan Malaysia
学部・学科 :保健医療技術学部 理学療法学科
留学期間 :2019年3月11日~3月24日
氏名・学年 :M・Iさん(留学時:3年生)
1. はじめに
今回、マレーシア海外短期フィールドワークに参加させていただいたので報告します。私は高校生の時に初めて海外に行き、海外には自分の知らないことがたくさんあることを感じ、自分の世界が大きく広がりました。そこで海外の理学療法に興味を持ち、自分の目で見てみたいと思い今回このプログラムの参加を決めました。
2.宗教
マレーシアは主にマレー系、中華系、インド系の人がおり宗教もイスラム教、仏教、ヒンドゥー教など様々です。このような環境でもそれぞれを尊重しあっているマレーシア人はとても穏やかな人が多かったです。
3.マレーシアの公立病院・私立病院
この2週間で多くの施設を見学させていただきました。公立病院と私立病院では衛生環境に大きな違いを感じました。公立病院は半屋外のような待合室であったりと環境はあまり整っていないように感じました。文化の違いの影響もあるのかもしれませんが靴を脱いでリハビリ室に入る施設もありました。
私立病院は日本の病院と大きな差は無いように感じました。日本のリハビリ室では感染の予防のためなどマスクを着用してるスタッフをよく見かけますが、マレーシアでは公立、私立関係なくマスクを着用しているスタッフは見かけませんでした。
4.治療の違い
マレーシアの病院では患者さん1人の治療時間は1時間〜1時間半くらいであり日本よりも長いです。しかし、ずっと療法士がついてリハビリをしているのではなく自主トレーニングを行なっていました。私立病院では、自主トレーニングの最中はトレーナーが側についていました。理学療法士のサポートとしてトレーナーが働いていることに驚きました。
また、日本のリハビリ室の場合はたくさんのベッドがずらっと並んでいるイメージですが、マレーシアのリハ室は機械がたくさん置いてあり、まるでジムのようでした。温熱療法の機械で木を使ったものがあり、日本では見たことがありませんでした。多くの機械があるマレーシアの病院だから見学できたのだと思います。
体験させていただきましたが木くずがふわふわとしていてとてもリラックスできました。
休日や平日の夜など空いている時間はUKMの学生と一緒に観光や食事に出かけました。モスクやヒンドゥー教の寺院などに行きましたが宗教によって全く雰囲気が違うのにどこもとても神秘的で厳かな雰囲気でした。モスクは場所によって雰囲気全然違いましたが天井の装飾がどこも綺麗でした。プトラジャヤにあるプトラモスク(通称ピンクモスク)は全てピンク色の建物でとても神秘的でした。バトゥケーブにあるヒンドゥー教の寺院はとてもカラフルでとても楽しい雰囲気でした。伝統的な行事の際、全身に針を刺して300段を超える階段を登るそうです。実際、階段を登るだけでもしんどかったのです。
マレーシアでは機械を使ったリハビリを多くやっていました。日本のような徒手でのアプローチは少なかったです。これには理学療法に対する考え方の違いが影響しているそうです。日本の場合は、同じ疾患を持っている患者さんでもその患者さん1人1人に合わせたプログラムを立てていきます。姿勢を整えたりと徒手的なアプローチをメインに行っていくのに対し、マレーシアでは、この疾患にはこの治療法が効果的であると言われているからこの治療を行うという考え方でした。患者さんの個人差はあまり意識せずに治療を行っていました。ここが日本との大きな違いであると感じました。
5.小児リハビリ
マレーシアで多く見られたのが小児の患者さんです。理学療法の場合、日本では小児の患者さんは少ないのですがマレーシアはどこの病院でも小児の理学療法が見られました。中でも脳性麻痺が最も多いそうです。小児のリハビリでは家族と協力して行なっていました。日本ではなかなか見学できないので貴重な体験をさせていただきました。見学している中でご家族の方のサポートがしっかりしていると感じました。日本の場合はリハビリは療法士に任せてしまうことが多いと思います。これはマレーシア人の人柄がよく表れているところだと感じます。
6.現地での生活とフィールドワークの振り返り
自分たちで公共交通機関を使って観光にも行きました。色々と不安なこともありましたが実際に利用してみることで地元の人の生活に深く触れられたように感じました。食事はマレー料理、中華料理、インド料理などが食べられました。香辛料が多く使われているのでスパイシーな料理が多かったです。その分、スイーツはとても甘かったです。ですが、どれも美味しく食べることができました。また、伝統的なナシラマも食べることができとても美味しかったです。
英語でのコミュニケーションに最初はとても不安を感じてなかなか自分から声をかけたり、話したりすることができませんでした。しかし、学生との交流、患者さんや先生方との交流を通じて英語への抵抗感がどんどん減っていくことをとても実感しました。今回の2週間を通じて日本やマレーシアの理学療法の長所、短所が見えてきました。私が理学療法士になった時、それぞれの長所を活かして患者さんと向き合い、良い治療を提供できる理学療法士になりたいと強く思いました。