学院長・理事長メッセージ
今年度はいよいよ学院創立から100年の節目の年となりました。関東大震災により、女性の自活自立の力の無さを痛感した創立者島田依史子先生は、女性に自立の力を、との思いで、弱冠22歳でありながら裁縫を教える学び舎を開きました。すぐに自活のすべを高等教育にレベルアップし、戦後は、臨床検査や英語力、保育領域と次々に時代が必要とする職業領域を切り開いてまいりました。
今、100年目を迎え、次の時代の就業教育に乗り出し始めています。この4月より専門職大学院福祉医療マネジメント研究科が立ちあがり、福祉と医療現場へのマネジメントの能力向上に取り組み始めます。また新学部「ヒューマン・データサイエンス学部(仮称)」の構想を開始しています。今後、DXやAIなどの新技術は、ありとあらゆる場面に普及していくことは間違いありません。私どもが培ってきた様々な領域で、それらを積極的に取り入れ、人とAIの共存の姿を構築していく事を先駆けて参りたいと考えています。これは併設の中高教育においても積極的に取り組んで参ります。
学院創立100周年は、本学で学ぶ・学んだ方々に一番喜んでいただけるようにしたいと考えています。そのために、キャンパスの中だけではなく、実社会の中で、受けた教育に誇りを感じられるよう、創立者島田依史子先生の自叙伝を『信用はデパートで売っていない』として講談社エディトリアルより刊行し、一般書店やインターネットで購入できるようになっております。この本を原案として、創立者の理念を現代社会の中で意識できるストーリーに改編し、大手映画配給会社であるギャガ株式会社によって劇場公開映画の制作に取り掛かっております。そして、第2代学園長 島田和幸先生は生徒学生に“本物”に親しむことの大事さを常々説いておられました。ご縁があってパシフィックフィルハーモニア東京という一流のオーケストラと包括協定を結び、本郷キャンパスの仁愛ホールをコンサート用のリハーサル練習場としてご利用いただき、学内の様々な場面で一流の演奏をご提供いただく事となりました。急激な少子化の進行という取り巻く環境の厳しい時代でありますが、同時にAIやDXという新しいツールが社会に普及する大変革のタイミングでもあります。変革を先取りできる次の時代の教育へ邁進して参ります。
(2024.4)
学院長・理事長プロフィール
島田 昌和(Masakazu Shimada)
経営学博士(明治大学)
1961年生まれ。
早稲田大学社会科学部卒業 明治大学大学院経営学研究科博士課程単位取得満期中退。
ミシガン大学客員研究員、一橋大学大学院商学研究科日本企業研究センターフェロー、経営史学会常任理事(2015-2016年)
1993年 文京女子大学(現 文京学院大学)経営学部 専任講師
2001年 文京女子大学(現 文京学院大学)経営学部 教授
2015年 学校法人文京学園理事長就任 文京学院大学では経営学部教授として「経営者論」を担当する。
著書に『渋沢栄一 社会企業家の先駆者』『原典で読む 渋沢栄一のメッセージ』他多数
2022年 学院長就任