2017年2月22日 海外フィールドワーク カナダ(5)
【海外短期フィールドワーク2017年(2016年度)リアルタイム報告05】
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カナダブリティッシュコロンビア州立トンプソンリバーズ大学で
今年(2017年2月〜3月)も海外短期フィールドワークが行われています!
午前中は英語、午後は現地の専任の教授陣4名から心理学を学ぶことができる、日本でも有数(おそらく日本の唯一)のプログラムです。
臨場感をもってお伝えするために画像サイズが大きめです。読み込みに多少時間がかかります。ご了承ください。
今日もおだやかないい天気です。午前のモニカの授業は2時間はESLで、残りの1時間は午後の生理心理学の授業の予習です。心理学の授業第一回目なのですが、いきなり触覚(体性感覚・自己受容感覚、圧覚、痛覚、温感覚)に関する授業です。モニカは心理学の専門家ではありませんので、「私は語彙の確認だけ予習として手伝うわ」。語彙の確認だけでも結構大変です。。
授業は集中しやすい環境です。
できるだけゆっくり話すように心がけてくれます。
陽射しがとても強いので、スクリーンを見やすくするためにも、今日はちょっとカーテンを下げています。
こんな単語を予習していきます。やはり通常のESLとは全くことなる語彙ですね。このくらいの単語を予習しておかないと、午後の授業が結構きついので、学生も頑張ります。
これも午後の授業ではなく、午前中の英語の授業での予習です。いい連携です。
皮質における神経可塑性。
お昼休みをとったら、ついにジェニーの午後の授業です。somatosensationについてです。私たちは外界からの刺激を5感を介して入力し、外の世界の「表象」を形成しています。そのプロセスを詳細に追いかけていくのも心理学の重要な役割です。これについて、通常は視覚の研究が中心的なのでしょうが、彼女は触覚から迫っていきます。google翻訳を使って、ちょっと面白い感じに仕上がっていますが、日本語も示してくれるのでなんとかついて行きます。
ジェニーも普段はとても早口なので、かなり意識してゆっくりしゃべってくれます。
これは触覚の受容器から脊髄までの経路を示しています。このように、まず、これが心理学?というような内容から始まります。基本的な構造から「こころ」の機能にじわじわ迫っていく感じです。
脊髄反射の話から、脊髄から脳にいく触覚ルートの話へと移っていきます。
触覚ルートについては、前脊髄視床路と外側脊髄視床路のようなかなり詳しい話もありました。ここで、痛みや圧感を伝える経路に話が及びました。それぞれのルートがそれぞれ異なる脳部位に届き、異なる処理が行われ、異なる体験へと繋がります。たとえば氷を持ったとき、冷たさ、痛み、圧感など、さまざまな触覚が生じますが、それは異なる触覚ルートを通ります。ペンフィールドというカナダの脳神経外科医がホムンクルスという触覚マップを作りましたが、近年、このマップに、さらに詳細なマップが加わりました。それぞれの触覚ルートからの信号を受ける部位が感覚野に綺麗に並んでいるということです。
触覚を失ったサルの話。運動神経は失わなかったので、体を動かすことはできたのですが、触覚を担当する脳の感覚野のうち、四肢を担当する部位の入力がなくなっていました。これを長い間そのままにされたサルの感覚野で「可塑的な」変化が生じました。四肢を担当する部位に、顔の触覚機能が浸食したのです。このように、脳は遺伝的にある程度役割が部位ごとにきまっているものの、生後の環境的要因や、神経の損傷などによって可塑的に変化する「能力」を持っているのです。
まとめのスクリーンです。最初の心理学の授業としては、なかなかの水準の内容でしたね。少しずつ理解していけば大丈夫です。
最後はジェニーのペットの犬の紹介。ジェニーは来週の火曜日にまた授業があります。ありがとうございます!
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