2017年2月24日 海外フィールドワーク カナダ(7)
【海外短期フィールドワーク2017年(2016年度)リアルタイム報告07】
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カナダブリティッシュコロンビア州立トンプソンリバーズ大学で
今年(2017年2月〜3月)も海外短期フィールドワークが行われています!
午前中は英語、午後は現地の専任の教授陣4名から心理学を学ぶことができる、日本でも有数(おそらく日本の唯一)のプログラムです。
臨場感をもってお伝えするために画像サイズが大きめです。読み込みに多少時間がかかります。ご了承ください。
午前のモニカの授業でまず行ったことは、来週のスキー&スノーボードについての同意書の記入です。カナダも訴訟文化です。怪我をしたことでスキー場を訴えたりといったことが起こらないように、同意書の記入を求められます。モニカ曰く、「文書はなんだか仰々しいけど、気にしないで。大丈夫だから。こういう文化なの。」
今日の皆さんの様子。。元気です。少しこちらの環境にも慣れてきたようで、放課後何をしようか、などと計画をお互いに立てています。
モニカの英語は本当にクリアで聞き取りやすく(学生の皆さんは必死にくらいついています)、英語を学ぶのに素晴らしい環境です。またいつも笑顔で、学生の皆さんの様子を気遣ってくれます。休憩時間の取り方なども、状況に応じて臨機応変に設定してくれるので、みんな集中力を切らさずに午前の授業を受けることができます。
モニカも、本学教員に、「とてもいい学生さんたちね。」と褒めてくれました。
これが同意書です。ちょっと怖いですよね。でも毎年必ずやっていることで、サンピークスで滑るときには必ず提出が必要です。
サンピークスはこの周辺ではウィスラーに次ぐ規模のスキー場で、しかも雪質はウィスラーを凌ぎます。オーストリアのスキーチームが合宿をしたり、海外からもかなりのスキー好きが集まる、知る人ぞ知るスキー場です。リンクはこちら。
もう一つ、万が一のために、学生の情報カードをサンピークスに提出します。
引き続き、午後の「心理学実験」の授業の準備をしました。実験に関わる多くの語彙を予習します。皆さん、ここで心理学の専門用語の語彙が沢山増えますね。
今日は本学のプログラムを支えてくれている3人も紹介します。左手前がロリ—、左奥が木村さん、そして右がラリーです。皆、本学教員、職員とすでに深い友情で繋がっている方々です。本学のフィールドワークプログラムは、こうして、現地の教員や職員、スタッフと深い友情が築かれているからこそ成り立つもので、短期間で同じようなプログラムを作ることは不可能です。表面的に似たようなプログラムがあっても似て非なるものです。TRUもこのプログラムを本当に大切にしてくれます。ラリー曰く、本プログラムはTRUにとっても、最も古くから存在する大事なフィールドワークプログラムなのだそうです。もうTRUの歴史とともにあるプログラムといっても過言ではありませんね。
今年は参加人数6人ですが、この人数でのプログラムが実現したのも、彼らのおかげです。
さあ、午後の心理学実験です。担当してくれるのは、カーリー。臨床心理学の学士を持つスタッフです。すでにTRUを卒業し、こうしたプログラムをサポートするメンバーの1人です。昨年は在学生として手伝ってくれました。この夏から大学院生になります。すでにとても優秀な研究者の卵、といってもいいでしょう。教員ではないのですが、実験授業体験ということで、彼女が担当します。
彼女が一昨年、カナダの行動・認知科学会で発表した内容です。
ここは心理学実験室。こちらの心理学科の教員や設備も充実していますが、比較すると、本学の心理学科の設備の充実度に気づかされます。多くの大学はなかなか高価な実験設備を完備することができない中で頑張っているのです。
カーリーはまず、TRUの心理学科の学生の学習の流れを紹介してくれました。1、2年の間は一般教養の授業が多く、履修できても心理学概論といった基本的な授業です。そして3年生から、本格的に心理学研究法をじっくり学びます。そこで、教員に認めてもらえると卒論を行うことができ、これについて奨学金が支給される制度があるとのことです。奨学金は数十万円というとても恵まれたもので、頑張ればそれなりのチャンスがある、ということですね。カーリーもそのうちの1人だったとのことです。
さて、実験はすでに本学の心理学基礎実験でも経験した「ストループ効果」について行いました。たとえば黄色という文字が青色で印刷されていたとき、その文字」を読むのではなく、その「色」を読むとき、その読み上げ時にエラーが生じやすくなったり、読み上げるまでの時間が遅延したりするという現象で、ストループという研究者によって明らかにされた現象です。すごくおおざっぱに説明すると、脳の中では多くの処理が同時並列で処理されていますが、こうした処理が拮抗するとき、エラーが生じやすくなったり、反応が遅れたりします。とても頑健でよく知られた現象ですが、これを英語バージョンと日本語バージョンで行うとき、どのような結果が得られるのか、という実験です。英語バージョンを英語/日本語で読む、日本語バージョンを英語/日本語で読む、の4バージョン行いました。
みなさん、必死で読み上げていきます。「あー。purple!」。笑
そうです。実験は真剣にやらないといけません。いうまでもなく、皆さんすごく真面目に実験に参加しました。
実験結果のまとめをした後は、心理学の基礎的な知識について、カーリーがクイズを用意してくれていました。「当たったらキャンディーね。」皆さん真剣に答えます。「オペラント条件づけを行った研究者は?」「社会的学習理論を提唱した研究者は?」「同調実験を行った研究者は?」など、研究者を当てるものから、「視覚野がある皮質の部位は?」「脳は代謝活動の何パーセントを使っている?」といった脳に関するものなど、質問の種類を色で分けて、皆さんに選択権を与えて質問していきます。皆さん、なかなかのできでしたね。この2年間、よく頑張ってきたのですね。
最後にみんなで写真を撮りました。ありがとうカーリー!
さあ、今日は全員で放課後にアバディーン・モールという、カムループスで最大?のモールに行きました。ここでショッピングをしてから一緒に夕食を食べよう、という企画です。皆さん、最初のうちは速やかにホストファミリーの家に帰ることが多かったのですが、どんどん現地を楽しもう、という余裕が出てきています。
スポーツ・アウトドア系のショップはさすがに充実していて、特にカナダのブランドだけは日本の価格と比較して安いです。それ以外は同じくらいかな。。また、ここでは通信会社数社の携帯電話やSIMカードを購入できるので、最近日本でも入手可能なSIMフリー携帯を購入しておけば、ずっと安い価格でスマートフォンを使用することができます。なかなか学生の皆さんには、自分で行うには敷居が高いですが、今後、ますますこうした手続きが便利になれば、可能性としてはありですね。日本国内でこうした手続きができないので、そこがネックかもしれません。
5時までショッピング、そして集合していよいよ夕食です。こちらでも人気の「モンゴリアン・グリル」で大半の学生の皆さんが食事を購入。牛肉か、豚肉か、エビを選択し、あとは自分でいろいろなサイドメニューを金属のお皿にてんこ盛りにして、左奥のカウンターで実際に鉄板焼きしてもらいます。鉄板焼き担当のスタッフのパフォーマンスもなかなか面白かったですね。
ご飯も無料で追加できるので、ちゃんとてんこ盛りにできれば、お腹いっぱい食べられます。
見た目はそんなに美しくありませんが、鉄板で焼いてくれたばかりを頬ばれば、とても美味しい。あつあつの料理です。
みなさん、「おおー、結構美味しい!」
ソースや具を自分好みで選べるのはいいですね。
それ以外にもこうしたご飯系のショップがあり、好きなものを選んで食べました。
もう一つ、教員からの差し入れです。プーティーンです。カナダでもとても人気です。皆、現地の人は「美味しいけど食べ過ぎると健康に悪い」と言いながら、良く食べます笑。揚げたてのポテトにブラウンソースとチーズをかけてできあがり。できたてなのでとても美味しかったです。全員でいただきました!
皆、現地での生活を楽しむ余裕が生まれてきました。いや、最初から余裕ある?いずれにしても、よかった!
同学年でもフィールドワークではじめてじっくりしゃべった、という人もいるそうです。今年は6人という人数が、お互いを知るよい機会を与えてくれるようで、皆仲良くなりました。助け合って学んでいますす。まさに本学の「共生」の精神!
夕食を終え、外にでれば、うっすらと暗くなり始めていました。とても空がきれいです。さあ、明日から2回目の週末です。皆さん、楽しんでくださいね。
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