2017年3月7日 海外フィールドワーク カナダ(12)
【海外短期フィールドワーク2017年(2016年度)リアルタイム報告12】
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カナダブリティッシュコロンビア州立トンプソンリバーズ大学で
今年(2017年2月〜3月)も海外短期フィールドワークが行われています!
午前中は英語、午後は現地の専任の教授陣4名から心理学を学ぶことができる、日本でも有数(おそらく日本の唯一)のプログラムです。
臨場感をもってお伝えするために画像サイズが大きめです。読み込みに多少時間がかかります。ご了承ください。
モニカの英語。午後は最後の心理学の授業なので、その予習、これまでの単語の復習テスト、クロージングセレモニーの準備など、内容は盛り沢山です。日本では3時間の授業、と考えただけでも長そうですが、こちらでは、インターラクティブな授業のため、比較的時間の流れが速く感じます。毎日、このようにプリントを作成するのは大変なことだと思います。ありがとう。モニカ。
そして、午前中の英語を今日は少し早く切り上げ、今日から始まる、Intgernational Days、「国際交流週間」、とでもいいましょうか、のオープニングセレモニーに参加しました。画面は学長のアランシェイバー。心理学科の教員の間では、通称?スキナーという有名な行動心理学者の名前で通っています(ここだけの話です)。
セレモニーでは、アフリカ、北米、先住民族などの踊りが披露されました。オールドメインは学生と教職員でいっぱいでした。
これは国際交流週間のポスター。4日間の間、さまざまな催しがほどこされます。
イベントなのに、ステージがなく、最前列の人以外は余りよく見えません。そこで、学生の皆さんは思い思いの場所でステージを見ました。
うーん。ちょっと見えないなあ。背の高い人が多いので、なかなかステージの踊りが見えません。。でも雰囲気だけは伝わってきます。
大音量のダンスも終わり、午後の授業に戻ります。オールドメインの建物の前。
もう、あと数日なのですね。いろいろな思いが交錯します。もっともっと英語を、心理学を学びたい、という気持ちが強まってくれていれば、すごくうれしいです。この留学はあくまで「きっかけ」です。でも、皆さん、聞き取りの力や、ちょっとした日常的な表現が、ちゃんと現地の人に聞き取ってもらえるようになったと思います。人間の学習能力ってすごいと、本当にいつも思います。
元気です!
皆さん、4月からまたどんな学生生活を送るのでしょうか。教員として思いを馳せます。例年、このフィールドワーク参加者は、すごくモチベーションがアップする人が多いように思います(と書くとプレッシャーでしょうか笑)。
休憩時間に、本学教員のリクエストで「ジャンプ」。なかなかの高さが出ていますね笑。
さあ、午後の授業です。キャサリンの感情心理学。「主観的幸福感」に関する授業です。
「幸福感、というけど、どのように測定するのかしら?そう、直接的に、幸福を正確に測定する手段はないんです。けれど、これまでの研究で、このような質問紙を使用して、主観的な幸福感を測定しています。もちろん、生理的反応を測定することもあるけど、今主観的に幸福を感じている、と正確に弁別することはとても難しいの。」。キャサリンは、言葉を選びながら、決してこれまでの研究の知見を曲解したり、ゆがめたりしないように注意しながら説明します。
また、各国の間の主観的幸福感と豊かさの一つの指標である国民総生産との相関関係について、説明してくれました。「確かにカナダや日本(〇がついているところ)は高いですね。そして、一般的に貧しい国の幸福感は低い様に見えます。これは古いデータですが。。では、たとえばカナダの中、日本の中だけで見たら、豊かさと幸福感は相関するでしょうか。。。」
「少し古いですが」とことわりを入れながら、日本のデータを示してくれます。「このように、日本はどんどん豊かになりましたが、人々が思うところの幸せ感は向上していない、ずっと安定していることが分かります。」
そして主観的幸福感に寄与する要因について、3つ挙げて説明してくれました。「状況的な要因は全体の10%しか説明しないと言われています。最も大きい要因といわれているのがSet Point。つまり遺伝的要因です。一卵性双生児と二卵性双生児を比較した研究で、離れて、異なる環境で暮らしていても、一卵性双生児の方が、二卵性双生児よりも、主観的幸福感の水準が相対的に、統計的に有意に近い、ということが分かっています。」
遺伝的要因が一番、といわれて少し暗い気持ちになりますが、、、キャサリンは、「意図的・計画的な行動」の影響も全体の40%程度あると説明してくれました。つまり、自分自身が、どのような意図や計画を持って生きるか、という要因が幸福感に影響する、ということです。このほかにも、お金と幸せの関係や、笑顔と幸せの関係など、興味深い研究を紹介してくれました。
さらに、「なぜ私たちは幸福を感じて生きる必要があるのか。」など、素朴ではあるものの、難しい疑問にも果敢にチャレンジしました。
皆さん、授業後も積極的に質問していました。学生の皆さんの質問が厳しくて、キャサリンは、「いい質問ね。それは今の段階では私も答えられないわ。今後の研究に注目しましょう。」といった返事が多かったです笑。でも、分かっていないこと、まだ研究されていないことを、「まだ分かっていない」と謙虚に答えるのは、研究者の真摯な対応です。
授業後にみんなで集合写真。まずはピースで。キャサリンは背が高いです。
次はピースなしバージョンで。ありがとう。キャサリン。
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